”アジアで私を怖れさせたものは、アジアが先行して示している、
われわれの未来の姿であった。
インディオのアメリカでは、私は、人間という種がその世界にたいしてまだ節度を保っていた。(中略)
けれども、そのインディオのアメリカにおいてすら、私ははかない残照を慈しむものである”(レヴィ=ストロース「悲しき熱帯」)
これまで外界との接触がほとんどなかったにもかかわらず、抗生物質耐性を持つ
遺伝子約30種を保持するとの研究結果が、米科学誌「サイエンス」に発表されました。
ヤノマミとは、彼ら自身の言葉で「人間」という意味だそう。ヤノマミはアマゾンの最も深いジャングル、ブラジルとヴェネズエラにまたがる
深い森の中に暮らす先住民で、推定二万五千人から三万人が二百以上の集落に
分散して暮らしているといいます。
以下、AFPニュースからの引用です。
ヤノマミの人々の存在は、2008年に初めて上空から確認されました。
09年にベネズエラの医療チームが集落を訪れ、34人から肌や口内の粘膜、便などの
サンプルを採取。
そして体内や体表上に生息するバクテリアや菌類、ウイルスなどの細菌叢(
マイクロバイオーム)について調べたところ、ベネズエラやアフリカ・マラウイの
先住民と比べ、ヤノマミの人々の細菌叢は、はるかに多様性に富んでいることが分かりました。
アメリカ人の対照群と比べると多様性は2倍。ヤノマミの人々の健康状態はおおむね良好ですが、
これは体内のマイクロバイオームが、これまで人間の集団で確認された中で
最高水準の多様性を持つ微生物で構成されていることが影響していると、
研究チームはみています。
ヤノマミの人々はTシャツや山刀、金属の缶を持っており、限定的に現代社会との
接触があったとみられていますが、加工食品の摂取や抗生物質の服用、
手の消毒、帝王切開による出産など、微生物を減少させてしまう現代生活の要素の多くにさらされていないといいます。
ヤノマミの人々は魚やカエル、昆虫、バナナ、発酵させたキャッサバの飲料などを
摂取して暮らしています。
研究チームは、ヤノマミの人々は抗生物質に対するある種の耐性を持っているのでは
ないかと考えました。
土壌中の細菌には数百万年以上にわたって、抗生物質への耐性を持つそうした遺伝子が存在しており、たとえ抗生物質を服用したことがなくても、この遺伝子が人間
に移転することは理にかなっているからです。研究の結果、驚くべきことにヤノマミの人々からは科学史上、発見されたことのない
抗生物質耐性を持つ遺伝子30種近くが確認されました。
さらに、これらの遺伝子は最近開発されたばかりの合成抗菌剤の一部に対しても
耐性を示したといいます。
論文の共同著者、ワシントン大学医学部のゴータム・ダンタス氏は「ヤノマミの
人々から、近代的な合成薬を不活性させる遺伝子が見つかったことは憂慮すべきだ。
これは、抗生物質耐性が人間の細菌叢の自然の特性であり、しかし、抗生物質を
使用した後にその耐性が現れ増幅することを示す、明確で新たな証拠だと
考えている」と報道陣に語りました。抗生生物質の時代は、ペニシリンが急速に普及した1940年代に始まり、
その後50~70年代にかけて多くの抗生物質が発見され、市場に登場しました。
その大半は土壌微生物に由来します。
抗生物質は人間や家畜に広く使用されていますが、近い将来、抗生物質が
抗生物質は人間や家畜に広く使用されていますが、近い将来、抗生物質が
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