目次
① 人生の一大転機
② C.W.ニコルさんを師に学ぶ
③ 星野道夫さんに魅せられて
④ リコーで生物多様性保全を推進
⑤ 共感コミュニケーションの大切さ
⑥ 宮崎駿監督とご一緒
⑦ 「サス学」のプログラム・ツールの開発&授業
⑧ 「SDGs」推進、「森林」体験などをサポートします!
これまでの主な活動・外部委員・著作


① 人生の一大転機

1997年(当時32歳)、屋久島を登山中に危うく遭難!という大変貴重な体験をします。その時に得ることができた目指すべき人生の針路。
それは「人間と自然との調和を図りながら持続可能な未来の共創を目指すことに、自分の人生をかけていこう」という志を持てた、人生の一大転機でした。


参考:『生かされているという事実、生きているという喜び』

② C.W.ニコルさんを師に学ぶ

大学卒業後から12年間働いていたシステムエンジニア(主に金融保険系のシステムを設計・開発)の仕事を辞め、当時C.W.ニコル氏が副校長をしていた自然環境保全を学ぶ専門学校に2年間通います。ニコルさんには公私共に目をかけていただきました。

二度目の学生の貴重な時間を有効に使おうと、国内の様々な森林や自然公園、野生動物保護の現場等に行くようにしました。環境省のサブレンジャーや野生動物の保護・調査、環境NGOのサブスタッフ、オーロラガイド手伝い、etc.自然の現場ではどんな問題が起きているのか、その背景は何かを身体で知るように努め、様々な関係者とのふれあいに努めたのは現在のネットワークに生きています。

その後、リコーに入ってからは森林生態系保全プロジェクトの支援先の一つとして「アファンの森」を推薦して認められ、ニコルさんの財団設立にも協力させてもらいました。社員の環境教育研修や社員親子の森林体験プログラムなどを財団と新規開発して、参加者やニコルさんたちにも喜んでいただいたのは、現在の「森林活用ノウハウ」につながっています。


参考:『森は私のことを受け入れてくれる』

③ 星野道夫さんに魅せられて

2年間という時間を活かして、尊敬する星野道夫さんの足跡を辿りアラスカに行き、所縁ある人々と交流し大自然にふれました。アラスカの大自然にすっかり魅せられて、計4度も訪れています。2001年冬には新婚旅行で行き、道夫さんと交流のあった素敵な人びと(映画「地球交響曲第三番」の出演者たちにも多数)と不思議な出会いをして親しくなりました。


米国のヨセミテやキングスキャニオンなどの国立公園や、ニューメキシコ州サンタフェなども周り、レンジャーや先住民の方々とふれあい、こころの対話を通して、自然と人間とが共生するための智慧を体感できたのは、「超右脳」にふれるよい刺激になっています。

参考:『自分の好きなことをもっともっと好きになってゆく』

④ リコーで生物多様性保全を推進

2001年から、(株)リコーで環境経営の一環である生物多様性保全の推進を担当することになりました。シニアスペシャリストとして、世界各地で破壊の危機にある貴重な森林生態系を保全するプロジェクトを推進。
SDGsの前身である「ミレニアム開発目標」(MDGs)にもつながるように、活動場所の地域社会やNGO、政府、学校と共創して成果を上げてきました。途上国の人々と子どもたちが安心して暮らしていけるための「持続可能な森林の共創」に汗を流し、現在も活動は続けられています。


中国・雲南省、極東ロシア・沿海州、マレーシア・ボルネオ、ガーナ、ブラジル・バイア州、日本・沖縄やんばる、日本・長野黒姫の活動地で、それぞれ環境NGOや自治体などとパートナーを組み、「右脳」の直感やイメージを使いながら、「左脳」で目指すゴールとバックキャスト式での活動フェーズを設定するなどして成果を上げてきました。

こうしたプロジェクトの立ち上げから活動推進におけるミッション・ビジョン、共感コミュニケーション、などリーダーシップをとりながらマネジメントを行った経験は、現在の仕事に活かされています。

⑤ 共感コミュニケーションの大切さ

並行して、リコーグループ内での環境コミュニケーションや中期行動計画を推進。事業を通しての生物多様性保全活動を進めるにあたり、各部門の方たちとの折衝は、プロジェクト推進とは異なり、「左脳」の本質と論理を使いながら、「右脳」で相手に共感することを心掛けました。


本業との関係性を整理しつつ、「なぜ企業が生物多様性に取り組むのか」という疑問を解消し理解してもらう。そして「本業に関わる各部門は何をすればよいのか」という具体的な行動の一歩を踏み出してもらえるよう、日々トライ&エラーを繰り返しました。
ビジネスの現場で様々に異なる部門・担当の方たちとのやりとりは本当に勉強になりました。相手の意見に「私も同じ気持ちだ」と同意するのは簡単なことであり、単なる同調でしかなく本当には通用しない。相手を尊敬しようという傾聴の気持ちを持って、説得ではなく納得をもらえるように自分の身を正す

それに内容がきちんと伴ってようやく「共感」を頂けて、協力してもらえることができる。こうした苦労は、実に有難い体験であり、現在につながっています。昔、実母から「若い時の苦労は買ってでもせよ」と言われ、その時はピンときませんでしたが、年を経るほどその大事さが身に沁みます。

⑥ 宮崎駿監督とご一緒

2008年設立の「JBIB」では、準備段階から声をかけていただき、R&D部会長を務めました。「生物多様性」をテーマに異なる業種の企業同士で協働する際のリーダーシップでは、上記の経験が役立ちました。この時に作成した「企業と生物多様性の関係性マップ」は、参加企業を超えて様々な業種の方たちが自社版を作っています。


また仕事を通して、様々な素晴らしい方とご一緒できる機会をいただきました。写真は2008年、「トトロのふるさと基金」10周年シンポジウムのパネリストで「宮崎駿監督」と隣席になり、懇親会でもじっくりお話をさせていただくことができた時です。この時に頂いた激励の言葉は、2011年に独立するかの迷いをしていた自分に勇気を与えてくれるものとなりました。

2011年3月11日の東日本大震災の日、銀座本社13階にあるオフィスから見た光景は衝撃でした。映画でしか観たことのないような惨状に、都市機能はどこも麻痺。電車は止まり、当日は都内だけでも10万人を超える「帰宅難民」が発生した。終業後18時にビルの外へ出た私は、どの道もそれぞれに混乱しながら歩く人たちで渋滞する中を歩いて、途中足の痛さを我慢しながらも8時間かけて、午前2時にようやく自宅へ着きました。

停電で漆黒の中、時折揺れる道を歩きながら、屋久島での原体験からこれまでの様々な出会いや仕事が走馬灯のように頭の中を流れていきました。そして「これから為すべきこと」の問いかけが自分に向けられ、点から面に広げていくことの大事さを思い、一つの方向に思考が向いていき決心が固まりました。「持続可能な未来を共創するために、次のステージ」へ進むべき時だと。地震も落ちついてきた数日後、奥さんと話をして了解を得た後、先に進みました。

⑦ 「サス学」のプログラムやツールを開発&授業

2012年に独立後、これまでの経験を活かして環境NGOや社団法人のアドバイザーを務め、また21世紀型のアクティブラーニングの学びである「サス学」のプログラム開発に参画し、未来年表やサス学羅針盤の制作、授業のファシリテーターを行ってきました。2013年から2019年まで、三井物産「サス学」アカデミーの開発・授業にも協力して、小学高学年~社会人を対象に授業を行いました。

(写真は、曹洞宗の30~40代のお坊さんたちが参加した「ライフデザイン」のテーマによるプログラムの一枚。2050年、自分の人生の未来に思いを馳せてのデザインを体感してもらったのですが、とても興味を持っていただけました)

⑧ 「SDGs」推進をサポートします!

【SDGs Camp】 社会的価値を創出するリーダーの育成 始まります!

SDGs(持続可能な開発のための17のグローバル目標と169のターゲットからなる国連の開発目標)をテーマに、ビジネスリーダーが社会的価値と経済的価値の共創に取り組む『SDGs Camp』。私はファシリテーターとして、Campに参加する皆さんがSDGsマインドを持った未来適応型のビジネスリーダーとなっていくことをサポートします。


持続可能な未来を共創するために、組織の基本的な機能やミッションに関して、組織内のグループが行う必要のあることをより効果的にできるよう支援をしていきます。
自然の生態系に沿った流れの中で、世の中に役立つビジネスを創り出していきましょう!ご興味関心を持たれた方はお気軽にご相談をどうぞ。

詳しくはこちらをご覧ください!


これまでの主な活動・外部委員・著作 
◆(株)リコー社会環境本部・シニアスペシャリスト
◆環境省 森林保全活動における民間企業とのパートナーシップ構築方策検討調査委員 
◆東北大学・生態適応コンソーシアム運営委員
◆JBIB(企業と生物多様性のイニシアティブ) R&D部会長
◆共著:『企業が取り組む「生物多様性」入門』(日本能率協会マネジメントセンター)


”人と自然を調和して、持続ある未来を共創する”
キシエンジニアリング株式会社 代表取締役
岸  和幸 
「持続可能な未来を共創するプロセス・コンサルタント」
Cremony 代表
Mail: cremony777@gmail.com
HP: https://cremony.amebaownd.com/