『人口減の社会が向かう方向』

「西暦2500年、日本の総人口は1000人を切る」
いう説。

国立社会保障・人口問題研究所は、2010年国勢
調査等に基づいた全国将来人口推計
を行っています。

これによると、日本の人口は2010年1億2806万人
から、2048年には1億人を割り、2060年には8674万
に。

1人の女性が生涯に産む子どもの推定人数を示す合計
特殊出生率
の指標を見た場合、男女2人から生まれる
子どもが約2人なら人口は横ばいですが、日本では
1975年に2を割り、ここ数年は1.4前後で推移
中。
また人口動態調査をみると、1974年に日本で生まれた
子は200万人以上だったのが、2014年は100万人
ほど。

つまりこの40年で半減。そして2050年には50万人
なるとの予想です。
(参考:「日本人はいま、絶滅の危機にさらされている」
ブリントン教授(ハーバード大学ライシャワー研究所
社会学教授兼社会学部長)など、多くの学者や政策
立案者が指摘するように、人口減少の流れは日本
社会・経済の今後に深刻な問題
を投げかけています。
”急速な高齢化はすでに、農村部の空洞化や介護要員
の不足を引き起こしており、逆ピラミッド型人口構成と
働き盛りの労働者の不足によって、年金の財政運営
はいずれ立ち行かなくなるのではないかという懸念を
もたらしています。

かつて日本の高度経済成長期において、若い男性新
入社員を大量に正規採用し、社内教育でスキルを身
につけさせ、互いに競わせることで生産性の高い労働
力を作り出すことがきわめて効果的なメカニズムとされ
てきました。


しかし1990年代以降、社会の成長から成熟への移行
に伴うさまざまな困難に直面するようになると、こうした
人事採用制度のひずみが表面化します。”

こうした中、「人手不足でモーダルシフト再び脚光」
いう記事を見ました。

モーダルシフト(modal shift)とは、貨物や人の輸送手段
の転換
を図ることで、自動車や航空機による輸送を鉄道
や船舶による輸送で代替
することです。
 












これまで、CO2排出量削減を主目的として利用されて
きましたが、長距離のトラックドライバーを中心に人手不
足が深刻化する中で再び脚光
を浴びています。
”イオンは2014年12月から、東京と大阪を専用の貨物列
車で商品を行き来させる取り組みを始めた。物流量が急
拡大する年末年始などの繁忙期には長距離ドライバーを
確保することが難しいため、アサヒビールや江崎グリコな
どと共同運行している。
福山通運は13年3月から、東京-大阪間で毎日1往復の
専用貨物列車の運行を開始。大型トラック80台分を移管
した。この成果を踏まえ今年から、新たに福山市と東京を
結ぶ専用列車を追加した。
海上輸送も拡大している。酒類大手オエノンホールディン
グスは今夏、北海道の苫小牧工場で生産した工業用ア
ルコールを静岡県の清水工場にタンカーで運ぶ海上輸送
に切り替えた。”
尚、先月発表の 「モーダルシフト取り組み優良事業者公表
・表彰制度」
では、最優良事業者賞(大賞)をヤマト運輸
受賞しています。
タクシー業界では、乗客を無人で目的地まで運ぶ自動運転
タクシーの実証実験
が来年初めから開始される予定。
政府が掲げる日本再興戦略では、運転手のいらない完全
自動走行の実現により、経済成長、新たな産業発展や地方
創生につなげたい
との考え。

自動運転分野では米国のグーグルやアップルなどが技術
開発を進めていますが、日本でも実験を通じてデータ収集
やノウハウの蓄積を急ぎ、東京五輪が開催される2020年を
めどに実用化
を目指すとか。

但し、国際的な道路交通条約として日本や米国が加盟する
ジュネーブ道路交通条約、欧州諸国が多く加盟するウィーン
道路交通条約で
は、「走行中の車両には運転者がいなけれ
ばならない」
と定めており、無人での自動運転には改正が
必要です。

少子化による人口減の社会で、労働力をITやロボットの力
で乗り越えて
いこうという方向性。

もちろんそれも現実的な方策と思いますが、それに加えて
少子化の背景にある問題の解決や、移民制度の見直し
も早急に進めていくことも別に必要ですね。


”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”