に参加してきました。
この教育の未来を考える総合フォーラム(朝日新聞社主催)には、
関係者など含めておそらく500名ほどが参加していたように見え、大変盛況でした。
皆さんが関心を持っていた今回のテーマは、「入試改革」、「高校から大学への接続」。知識を大量に早く覚えるような教育では、大きな変化にはなかなか適応する
ことが難しい。
”大学進学率が50%を超え、欧米に近づいてきましたが、進学率が20%で
あったころと比べて、平均的な大学生の質は明らかに低下しています。
これは規制緩和による大学の乱造と厳しい受験に勝ち残らなくても容易に大学に行ける全入状況によりもたらされたものです。
簡単に大学に入れるなら、勉強しなくなるのは当然です。また、最近は
学生をお客様扱いする大学もありますが、このような風潮は全く
ナンセンスだと思います。被教育者を消費者扱いしては、教育は成り立ちません。優秀な生徒たちの能力をさらに伸ばすために欧米のやり方を導入するのは
「高大接続」(高校と大学の接続)の改革を推進したいとする文科省。
中教審に設置された高大接続特別部会は、現行の大学入試センター試験を廃止し、
思考力・判断力・表現力を中心に評価する「大学入学希望者学力評価テスト」
を2020年から段階的に実施する答申をまとめました。
改革案ではこの他に「高等学校基礎学力テスト」を2019 年から開始。当日の講演では、文科省の高等教育局長から近年の潮流としてOECDが提示した
「キー・コンピテンシー(主要能力)」やPISAのフレームワーク開発に
「問題解決力」「コンピンテンシー」といった新たな項目が追加されたこと、
日本では、2006年教育基本法、2007年学校教育法を改正し、2011年に
小中高校ごとに教育課程を編成する「学習指導要領」の見直が実施されたこと
の説明がありました。
特に強調されていたのが、「学力の3要素」である「知識・技能」「思考力・判断力
・表現力」「主体的に学習に取り組む態度」で、改革実現に向けた中教審答申でも
明記されています。
高校や大学での教育を以下に変革していくかについて、パネルディスカッションの
出席大学(東大、筑波、慶応、上智、中央)の各責任者と文科省との間で、
総論賛成・各論反対(難しい、厳しい、様子見など)の議論が取り交わされていました。
これまでのように一回限りのペーパーテストだけで合否を決める入試でなく、
多面的・総合的な入学者選抜への転換を図っていこうという総論。
しかし実現にあたっては、学力評価テストで「合教科・科目型」「総合型」の問題をどう作るか、年複数回の試験をいつどのように行うのか、
レベルを一定にそろえた段階別評価、など実現するための課題が山積しています。淘汰の波に呑み込まれていくことでしょう。
大学教育はソフトパワーにもなる。
ある国で高度な教育を受けた人が世界で活躍すれば、その国の好感度と影響力は大きく高まるだろう。
今、日本に必要なのは、国際競争力をつける大学教育である。
米デューク大学のキャシー・デビッドソン氏が2011年、ニューヨークタイムズ紙
のインタ ビューで語った予測。
”2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう”
情報化が進むに従い、私たちの働き方は大きく変化しています。
企業がイノベーションを進めるたびに、業態の変化によって新しい職業が
生まれ、既存の専門職を置き換えつつあることがよくわかります。
イノベーションによって解決していく「グローバルでタフな」人材。
私が現在参画している、21世紀型教育プロジェクト 「サス学」は、こうした社会の変化と求められる人材や能力に対応し、持続可能な未来を
共創できる個人を育てるもの。 (「サス学」は三井物産の登録商標)
自分の頭の中で再構成し思考する力が、今後重要。
他者と話し合ったり情報交換することで、折り合いをつけながら、現在よりもより良いモノやコトを創り上げることは、コンピューター には
まだ難しいことでしょう。
自分の言葉で相手に分かり易く伝え、その場に応じた的確な表現により、
問題を解決し社会の発展につなげていくイノベーション能力。
これからの社会を創る子どもたちだけでなく、現在社会を築いている私たち大人にも求められる力。
これからの社会は、「誰も正解が分からない世界で、みんなが少しずつ
考えや知恵を持ち寄って、答えを作り出し、それを現実に適用した結果も
見守りながら、更により良い答えを求めていく」そんな時代になることと思います。
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