「SDGs採択から3年」

3年前の今日、2015年9月25日ニューヨーク国連本部において、「国連持続可能な開発サミット」が開催され、150を超える加盟国首脳の参加のもと、その成果文書として、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。


【SDGs採択の背景】

当時、「SDGs」は産業界を含め社会では一部の関係者を除くと、その名称すらあまり知られていませんでした。私は企業の中で生物多様性や森林生態系保全を推進していた関係で、SDGsの前の国際目標である2000年~2015年の「MDGs」(ミレニアム開発目標)の元となる「国連ミレニアム・エコシステム評価」を活動の参考にしていました。

この評価は当時のアナン事務総長のリーダーシップにより進められたもので、2001年〜2005年にかけて地球規模で生態系・生態系サービスの変化が人間生活に与える影響を評価するため、現状と動向・未来シナリオ作成・対策選択肢の展望について分析した地球生態系の環境アセスメントというべきものです。

調査結果から、食料、水、エネルギー、水の浄化などを人類にサービスしている生態系機能の60%以上が劣化し、地球の健康は危機的に悪化しているということでした。また食料に関わる生態系は機能改善しているにもかかわらず、発展途上国では飢餓と栄養不良の問題が増大していることがわかったのです。


【ⅯDGs→SDGs】

MDGsは、このエコシステム評価をふまえて、私たち人類が地球の生態系に与えているインパクトを軽減することをねらいとして、とりわけ影響が大きい途上国で人々が直面する多くの問題を解決するような具体的目標(極度の貧困と飢餓の撲滅、初等教育の完全普及達成、乳幼児死亡率の削減、など8つの目標)が掲げられ、多くの生命を救い生活環境の改善につながりました。

しかし課題として、国や地域、年齢や性別、経済の状況についての格差解消が上げられ、そこで最終年の2015年に、2030年までの開発スローガンとして「誰ひとり取り残さない」を重要な柱とするSDGsが採決されたのです。


【ⅯDGs→SDGs】

MDGsは途上国での活動が主となるものでしたが、SDGsでは「持続可能な開発を達成するためには、経済成長、社会的包摂、環境保護という3つの核となる要素の調和」が欠かせないとし、「人間、地球、豊かさ、平和、パートナーシップという大きな重要性を備えた領域に関する行動を促す」ことをねらいとしています。

この地球が持続可能であるためには、「環境」「社会」「経済」の調和が欠かせない。そのために、日本を含めた各国・各地域や企業、自治体、学校、NGONPO、そして地球市民たる個人一人ひとりが皆、それぞれの役割を果たすプレーヤーとして動いていくことが大事ですね。


【企業のSDGs】

国連機関が、経営にSDGsを採用する手順を示していて、日本企業は手順に従っており多くは最初のSTEP(自社の活動とSDGs目標の紐づけ)段階にあるようです。

しかし、ネスレやユニリーバ、アディダス、GEなどの欧米企業は、SDGsへの取り組みを経営の中心に置いて巧みに活用をしています。競争で優位に立つ戦略を持ち、新しい市場を開拓しています。自ら市場を創るイノベーションを起こして、競争の優位に立つための戦略コンセプトと実践が必要です。伊藤園や味の素、サラヤ、などの国内企業ではそうした取り組みが見られています。


あなたの組織では、SDGsへの取り組みはどのような状況でしょうか?進め方を検討なさっている、悩みがある担当者の方はどうぞお気軽にご相談ください!

”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”