『寒月や思惟の仏の指の先』水上博子作
朝、犬の散歩ため外に出ると、晴天の中を冷たい北風が
吹いています。
以前、「季語刻々」(毎日新聞)にあった水上さんの句から
「弥勒菩薩半跏思惟像」を思いました。
『慈悲の権化である。
人間心奥の慈悲の願望が、その求むるところを
結晶せしめたものである』
(和辻哲郎談)
我が家の壁にあるこの菩薩の写真を見る度に、
自分を見つめ直す気持ちになります。
それは、日本人の失いかけた心の眼を開かせる古の微笑と、
艶やかな細い指先を通して発せられる
「たましいのほほえみ」です。
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