『独白』

ふと思い出して、深夜に書部屋の隅に積んであった
整理箱を探す・・・。
 
あった、「独白」という題名の写真集を暫くぶり
に開く。写っているのは、高倉健さん
1983年発行、当時私は18歳。
映画「八甲田山」を観たのが小学6年。
大きな感動から、以来健さんの映画に痺れ
続けていた。
 
『ほんのたまにめぐってくるいいこと…。
それを私は「感動」と呼びます。

感動ほど贅沢なものはなく、感動のない人生
ほど淋しいものはないと信じています。
 
観る人を感動させる最高の演技というのは、
何回もできるものではありません。

全身全霊がパッとほとばしる瞬間は、
たった一度きりといっても過言ではないでしょう。


その一度の演技のために、多くのものを
捨てて心身を整え、出来得る準備はすべて
整えておく。
 
映画という2時間前後の世界の中で、
一生忘れられないような台詞やシーンに
出逢っていただくために、俳優はこの義務を
負っていかなければならないのでしょう。
 
大好きな作家の一人、山本周五郎は
自分の作品の根底に流すテーマとして、
イギリスの詩人「ロバート・ブラウニング」の
こんな言葉を大切にしたといいます。
 
「人間の真価は、その人が死んだとき、
なにを為したかではなく、彼が生きていた
とき、なにを為そうとしたかで決まる」』

 
健さんが6年振りに主演した映画「あなたへ」
は、今年8月に公開される。待ち遠しい。

”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”