『命と命が運んでくれる豊かさに感謝する生き方』

かつて15年ほどまえに北米の各地を旅しました。
アラスカの各地やヨセミテ、キングストン&セコイヤ、そしてサンタフェ

全て北米先住民たちの縁の土地であり、原生の素晴らしい自然が広がる場所。

サンタフェで知り合ったナバホ族の方からは、名前をいただきました。

日本語で”子熊”を意味するナバホの名。


先住民の人々の歴史は過酷なものです。自分達より後に土地へ入ってきた

メキシカンやアングロサクソンなどの白人たちに迫害を受け、

もともと住んでいた自然豊かな場所から辺鄙な場所へと追い立てられ、

暮らしてきました。

彼らの住む居留地、周辺に広がる砂漠には、幾多の涙と亡骸が大地の一部と

なり眠っています。


彼らは今も戦っています。テレビやメディアなど白人文化は容赦なく、

次から次へと攻撃をたたみかけてきます。

止むことを知らない広告。彼らの文化を飲み込もうと襲い掛かってくる

見知らぬ文化など。


現代のテクノロジーが運んでくる猛攻撃に抗って、何とか自分たちの価値観を

守り、生き方を守ろうとしています。

ネイティブは決して、若者たちの流行や格好いいというための

安易なものではありません。

大地と共に生きてきた歴史の証であり、自然の一部として生きてきた

人々なのです。


彼らは歌う。夜に感謝の歌を。
「どうか幸せに歩ませてください。
 どうか目の前の世界が美しくありますように。  
 どうか背後の世界が美しくありますように。  
 どうか足下の世界が美しくありますように。  
 どうか頭上の世界が美しくありますように。  
 どうか周囲の世界が美しくありますように。  
 あらゆる世界が美につつまれてありますように。」


彼らは言います。
先進国の消費文明や自然を尊重しない生き方が、やがては崩壊を招き

砂塵に埋もれてしまうときがやってきても、きっと自分たちは生き残っている

はずだと。

大事なのは、物質的な豊かさではなく、命と命が運んでくれる豊かさに

感謝することだと。

”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”