『滅亡と存続の運命を分けるもの』

「異常気象が増えると、個人レベルの暴力行為
から内戦などのグループ間対立、文明崩壊に
至る紛争が起きやすくなる」

 米カリフォルニア大バークリー校のチームが、
米国科学誌サイエンスに発表した研究結果。
















紛争の発端は多様ですが、環境が悪化し食料や
財産が脅かされると、人間の行動が暴力性を
帯びやすくなる
といいます。

チームは殺人や暴行、内戦や民族紛争、政治権力
の交代や文明崩壊などと気候変動の関係を調べた
文献60件を分析。
統計的手法でデータを再評価しました。

具体的には、中米のマヤ文明や東南アジアの
クメール王朝は、崩壊や滅亡に先立って深刻な
干ばつに見舞われたこと。

アフリカや熱帯地方での内戦や民族紛争、
米国での殺人や暴行など犯罪件数の増加も
気温上昇と関係していたこと


そして、自然環境が変動すると社会的な不安定さ
が増す
ことを確かめました。

温暖化に伴って今後さらに世界が不安定になる
恐れがあると同チームは警告しています。

・エベレストの氷河、50年で14%減少、ペース6倍に加速
・アルプスの氷河、60年代以降4割減少、消滅の恐れも
・赤道上空の成層圏、東西風が過去60年間にわたって
弱まり続けている

・最近10年間の世界の平均気温は、氷河期が終わってから
1万年余りで最も高いレベルにある

との研究結果が、米オレゴン州立大などのチームにより
発表されています。

 











以前読んだ、「文明崩壊 滅亡と存続の運命を分けるもの」
(ジャレド・ダイアモンド著)に大変興味深い、文明崩壊を招く
5つの要因
の解説がありました。

■環境破壊
■気候変動
■近隣社会からの援助
■その敵対的干渉
■社会がもつ問題対応能力


これについて最初の4つのうちの1つでも不利に作用した
場合、そのことに対処する能力がなかった文明が崩壊
していること、そうではなかった文明は生き残っている
という構図での解説。

崩壊をまぬがれた文明の実例として、江戸時代の日本
が紹介されており、江戸幕府による規制が実効を
発揮して、持続的に自然資源の利用をしてきた
ことが
挙げられています。

鎖国によりほぼ自給自足の閉鎖系であった当時の
日本で、人口増加と自然環境や生活水準の維持を
両立させたことは、特殊な成功例


江戸の成功例は、社会課題にしっかり向き合い、
対応できればなんとかなるという希望
を抱かせて
くれるもの。「サス学」の重要性をあらためて
感じます。

 

サステナビリティ(持続可能性)を学ぶことで、

■ものごとを本質から捉え、複雑な社会を
自らの価値観で生きる力を身につける

■他者とコミュニケーションを取りつつ問題解決
に取り組み社会課題を解決する

■「自分と、他者と、社会」の未来を創ること
ができる力を育む


子どもたちが将来、社会という大海原を自力で
漕ぎ出せるような自らの価値観と主体性を備え、
社会を生き抜く力=「未来をつくる力」

身につけることを目指す”サス学”。
http://susgak.com/

時代を共に生きる大人と子供とが協力し合い、
社会がもつ問題への対応能力を上げ、
自らが生きているこの世界の発展を目指して
いきたいと思います。



”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”