客の顔情報「万引き対策」115店が無断共有、とのショッキング
なニュースを目にしました。
”スーパーやコンビニなどの防犯カメラで自動的に撮影された
客の顔が顔認証で解析され、客の知らないまま、顔データが
首都圏 などの115店舗で共有されていることが4日分かった。
なニュースを目にしました。
”スーパーやコンビニなどの防犯カメラで自動的に撮影された
客の顔が顔認証で解析され、客の知らないまま、顔データが
首都圏 などの115店舗で共有されていることが4日分かった。
顔データを共有しているのは、名古屋市内のソフト開発会社
が昨年10月に発売した万引き防止システムの導入店舗。
首都圏や中京圏のスーパーなど50事業者計115店舗で、
個人のフランチャイズ経営の大手コンビニなども含まれる。
各店舗は、防犯カメラで全ての客の顔を撮影。
万引きされたり、理不尽なクレームを付けられたりした場合、
該当するとみられる客の顔の画像を顔認証で、データ化した上
で「万引き犯」「クレーマー」などと分類し、ソフト開発会社の
サーバーに送信、記録される。”
万引きの防犯対策のためとのことですが、顔データを無断で
第三者に提供することはプライバシー侵害につながりかねない
と、専門家や業界団体は「ルール作りが必要」と指摘して
います。
このニュースを見て思い浮かんだのが、昔読んだ
星新一氏のショートショート(短編集)。
今から40年以上も前に、近未来を描いた作品を描き、
1千作品を超えるショートショートはいずれも、科学技術
の発達に伴う便利さの裏で、社会との緊張感が増して
いくことをシニカルに批評したものばかり。そ
れはコンピュータネットワークが高度に発展し、それに
依存しきった社会の危うさを映しだしています。
「声の網」という作品に描かれた、コンピューターで正確に管理
されている電話網の利便性と、その裏にある危険性。
それは現代のインターネットにつながるものです。
”ある時代――電話は単なる通話の道具ではなかった。
ある番号を回せば、自分の商売に関連した情報が即座に
送られてくる。
診察器と組み合わせれば、居ながらにして病院の診察も
うけられる……。
そんなある日――
メロン・マンション1階の民芸品店の電話が鳴り、
「そちらの店に強盗がはいる」とだけ告げて切れた。
そしてそのとおり、店は強盗に襲われた。
それを契機に12階までの住人に次々と異様な出来事が。”
現代を見ると、個人情報保護の元、秘密が何よりも重視される
ようになりました。
一方で、SNSを通して人々の生活や行動は全て管理元に把握
され、利用や監視がされる可能性があります。
街中のあちこちに防犯カメラが設置され,個人に関する様々な
情報がネット上で管理される時代。
星新一氏の作品が単なる絵空事では終わらない時代へと
近づいてきているように感じられます。
「爆発」(1969年)という作品では、都市の生活が未来で
どうなっているかを予言しています。
”未来の都市は、実用的な社会であり、人間は公平に生活
している。みんなは、同じ広さの住居に住み、全く同じ生活
をしている。
しかも、食事は自動的に作られて、仕事は気楽で簡単。
部屋から出る必要もなく、お出かけができる時はどこにいくか
も考えなくていい。
この都市の人々は、安楽に暮らす生活をしている。
だが、未来では深刻な人口問題がある。
世界中が都市にならなければいけないくらい人口過剰が起き
、人は公平に暮らしているけど、みんなはかなり窮屈な部屋
に住まなければならない。
さらに、人口が多すぎるのをきっかけとして、コンピューターで
人間を管理するようになる。
生活はコンピューターの計画通りにしか進めなくなり、
人間はコンピューターにものすごく頼ることになる。
そして次第に、コンピュータは意思を持ち始め、人々の願望
と欲望を総体的に実現し始める。。。”
ちなみに私のお気に入り映画の一つ、「Matrix」では、
人間に代わって地上を支配した機械が、永続的な
エネルギーを得る為に、人間を「電池」として管理する
システムが現されています。
”全ての人間は、人工子宮の中で生産され、赤ん坊になると、
生体維持装置のチューブや電気プラグに繋がれて、一体ずつ
カプセルに閉じこめられる。
そして、コンピューターは、彼らの脳の刺激に応じて
「現実世界を彼らの脳の中に作り出し(仮想現実)」、
人間は一生それに支配されて生涯を終えるのである”
新しくてより高度な物を求める現代社会。
その行き着く先は果たしてどうなるのでしょうか?
そして情報には操られるものと操るものとがいることをよく
考えて、高度情報化社会と呼ばれる、この世界と向き合う
ことが大切であるとあらためて思います。
0コメント