インテル社、「瞑想で業績を上げる」
マインドフルネスプログラムを社内で展開
http://www.huffingtonpost.jp/mindful-leadership-institute/mindfulness-program_b_5346280.html
マインドフルネスプログラムを社内で展開
http://www.huffingtonpost.jp/mindful-leadership-institute/mindfulness-program_b_5346280.html
スティーブ・ジョブズは有名な例ですが、欧米の一流企業
の経営者たちには、「瞑想」がブームであるときいていました。
それにしても、世界10万人の従業員に対し、9週間にわたる
瞑想の基本的なトレーニングをベースとするマインドフルネス
プログラムを展開するというのは画期的。
当然、ビジネスにもたらす効果が大きいと判断したのでしょう。
マインドフルネスとは、「今・ここで自分の内面と外で
起こっていることに、しっかり意識を向ける」こと。
瞑想はよく宗教と間違われますが、欧米では脳を
変える科学的なトレーニングと認識されています。
マインドフルネスには、
・健康(免疫力↑、痛み・炎症↓)
・メンタルヘルス(うつ、不安症、ストレス↓)
・人間関係(EI・思いやり↑、寂しさ↓)
・自己管理力(感情の制御、内省力、注意力↑)
・生産性(集中・注意力、記憶力↑)
などの効果があることが科学的に実証されていると
いいます。
(Psychology Today 2013年9月11日"20 Scientific reasons to start meditating today")
忙しさに追われて、相当のストレスを抱えている
ビジネスパーソンたちにとり、ストレスを解消し、
潜在能力を引き出す可能性を持つ「瞑想」は、
能力向上や業績改善に有効であると認識されています。
インテル以外では、GoogleやSAPなど、各社がマインド
フルネスとEI(エモーショナルインテリジェンス)の
トレーニングを開始し、大きな人気を博しているとか。
SIY(Search Inside Yourself )と呼ばれる、EIと
マインドフルネスのプログラムは、各社や各誌で高い評価
を得ており、受講するのに数百人ものウェイティングリスト
があるほどの人気だといいます。
EIとは、自分や他人の感情を認知、理解、管理する能力
の総称であり、これがビジネスでどのような効果につながる
のか、興味深いデータが載っています。
http://www.huffingtonpost.jp/mindful-leadership-institute/google-recruit_b_5307732.html?
瞑想は、きちんと医学的に効果が証明されている
脳のトレーニング。
篠浦伸禎先生(都立駒込病院脳神経外科部長)から、
以前このように聞きました。
「仕事や日常生活でのストレスに対し、動物脳が
反応します。それは攻撃するか逃げるかの行動。
但し、人間はふだん教育や躾により動物脳を
コントロールしています。ところが、これが機能しなく
なると、動物脳が暴走してしまうことになります。
人間脳と動物脳の境目には、人間らしく脳を使うための
重要な機能を持つ「帯状回」という部位があり、
これが重要。
最近の脳科学研究で、帯状回を活性化する方法として
「瞑想」が有効であると報告されています。
帯状回は、刺激がないときに活性化し、刺激を受けると
活動が抑制される性質があります。
だから、瞑想で何も考えない(刺激を与えない)訓練を
すれば、帯状回を活性化させ、暴れそうになる動物脳
をコントロールしてくれるようになるのです。」
瞑想は、脳に血流が増えることにより扁桃体をコントロール
(=神経細胞が後部帯状回に血流が流れる)できるの
だといいます。
瞑想の習慣化は、心の安定につながるのですね。
篠浦伸禎先生は、タイで出家された日本人僧侶である
プラユキ・ナラテボー氏と「脳と瞑想」という本を
出されています。
”「気付き」「ありのまま」「今ここ」「マインドフルネス」
というのは、決して「監視」とか「冷たい観察」ではなく、
心には「喜び(ピティ)」、身体的には「楽(スカ)」といった
「肯定的なエネルギー」が流れ、また心は慈愛があふれる
ハートフルな状態になり、余裕もある良い意味での
冷静さが得られ、しかも執着もしなければ無関心でも
無いといった中庸な状態である。”
余談ですが、この本の中で現代に多いセミナーについて
言及されているのは興味深いことです。
ビジネス系の「成功マインド養成」、スピリチュアル系の
「引き寄せの法則」といったような名前で開催されている、
セミナーは実は昔から同じパターンで続いているもの。
本の中ではそのカラクリを解明すると同時にリスクがある
点を指摘しています。
冒頭で紹介した、インテル社のマインドフルネス
プログラム。
導入にあたり、1500名もの従業員に対してパイロット
プログラムを実施し、ビフォア&アフターの調査結果
をまとめています。
10点満点の自己評価で
・ストレス・切迫感 -2ポイント
・幸福感 +3ポイント
・新しいアイデア・気づき +2ポイント
・心の明晰さ +2ポイント
・クリエイティビティ +2ポイント
・集中力 +2ポイント
・人間関係 +2ポイント
・エンゲージメント +2ポイント(=プロジェクト、
チームワーク、ミーティングでの取り組みの深さ)
同社ではこの結果から、「クリアな心に値段は
つけられない」として、ROIの情報なしに世界10万人
の従業員に対し、9週間のマインドフルネスプログラム
を展開することを決定しました。
瞑想をビジネスの中に取り入れた、マインドフルネス
プログラム。企業の活動から社会の豊かさへ
どのようにつながりをもたらすのか、今後も注目です。
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