世界の「三大失敗」をご存知でしょうか?
・タコマ橋の崩壊
・コメット飛行機の墜落
・リバティー船の沈没
・タコマ橋の崩壊
・コメット飛行機の墜落
・リバティー船の沈没
これらは人類に新たな課題を与え、それと
向き合うことで、人類はさらなる技術向上の
機会を得ました。
一方日本では、JCO臨界事故、三菱自動車
のリコール隠し、雪印の品質管理怠慢など、
「失敗」の隠匿がさらなる悲劇を引き起こした
ことは記憶に新しいでしょう。
新しい世界をつくり出す新しい仕事は、
新しい方法によって行われます。
畑村洋太郎氏(工学博士)は、「失敗」に
ついてこう述べられています。
”失敗は、未知との遭遇による「良い失敗」と、
人間の怠慢による「悪い失敗」の2種類に
分けられる。
不可避である「良い失敗」から物事の新しい
側面を発見し、仮想失敗体験をすることで
「悪い失敗」を最小限に抑えることが重要で
ある。
日本社会には、失敗を恐れ、失敗を恥じ、
失敗を隠そうとし、失敗に学ばないという
欠点がある。
その原因は、明治以来、欧米のマネをすること
で失敗を避け、効率よくキャッチアップしてきた
ために、失敗を真摯に見つめ謙虚に学ぶ文化
やシステムが生まれなかったことにある。”
畑村氏は、東大で機械工学を教えてきた中で、
こうした問題意識をふまえて、最初はあえて
学生に手本を示さずに課題を与え、挫折を
経験させたといいます。
すると学生の勉学に対する態度が変わり、
習得した知識の応用も利くようになったそうです。
畑村氏による、「失敗」の分析では
「未知」
「無知」
「不注意」
「手順の不遵守」
「誤判断」
「調査・検討の不足」
「制約条件の変化」
「企画不良」
「価値観の不良」
「組織運営の不良」
の10種に原因を分類することができるといいます。
どんな「失敗」でも、これらいくつかが重なった
ために起こるものなのですね。
「失敗」そのものを探求し、そこから学ぶことが大事。
「失敗」から学ぶことで、人の認識は深まります。
「失敗」は、まだ見えていない可能性を開く扉。
早い段階で「失敗」を経験することにより、その経験
を足がかりにして、上のステージへ上がることが
できます。
しかし、最終段階での「失敗」は、単なる取り返しの
つかない事故でしかありません。
「表層に出てきた問題に対する解決策だけではなく、
失敗や事故の裏には必ず人間の心理に基づいた
行動や組織文化がある。
そこまで踏み込んで打開策を打ち出さなければ、
根本の解決にはならない。
事故が起こった時に、ヒューマンエラーだといって
したり顔で片付けるケースが多いが、その裏には
必ず組織の問題が潜んでいる。
失敗や危険を防ぐには、これまでの日本文化のよう
にみんなで仲良く同じことをするのではなく、各個人
が自ら考える個の独立が欠かせない。」
畑村氏の言葉が深く響きます。
他の成功事例をマネすることが、成功への近道
であった時代は過去となり、昨日までの成功は
今日の成功でなくなりました。
この時代に大切なのはまさしく「創造力」、それに
「コミュニケーション力」だと思います。
新しいものを創り出し、グローバルに様々な価値観
を持つ人々とやりとりを行う上で、失敗を避けて
通ることはできません。
精神的にも経済的にも肉体的にも個人の自立が
求められる時代。
そこで大事になるのが、自己が抱く”志”。
志に対する恥の意識を持っていない人は流されて
しまうからこそ、自身できちんと考えて行動するという
、決して人の基準で動かない強さが必要なのでしょう。
「その志に従って、失敗を恐れずに突き進んで
行くべきなんです。
そして、もし失敗してしまった時には、隠すことなく
その事実を直視し、そこから学び今後の糧とする、
この姿勢こそが生きていく上でとても大事なのだと
思います。
失敗をすると人間は、膨大なエネルギーが失われ、
失敗と真正面から向き合うことが難しい状態になります。
こういうときにきちんとした対応をしようとしても
良い結果は得られません。
また、時として理不尽な責任追及もあり、ついには
失敗に押しつぶされてしまいます。
そうならないためには、自分は今、失敗に立ち
向かえない状態にあることを潔く認め、失敗に
対峙できるエネルギーが貯まるまでひたすら
待つことが、最高の対処方法なのです。
事前にあらゆる可能性を頭の中でシミュレーション
をすることです。
そうしておけば、例え失敗しても、他の方法をとる
ことができたり、何よりも心の動揺を少なくし、
冷静に対処方法を考えることができます。
「捨てる神あれば拾う神あり」で、失敗したときには
往々にして"救いの手"が差し伸べられることが
あります。
そのような手助けを受けることができるのは、
常日頃から愚直かつ丁寧に努力を重ねている人
なのです」
失敗というチャンスを排除せず、むしろ意識的に
呼び込むことで、それを足掛かりとして活かす
仕事の進め方。
全てにおいて通用することと思います。
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