『逆境こそ生きる力になる』

“自ら養うところがないと環境に負ける。
いかなる所へ行っても、悠然として普段
と変わらないようになるのには、よほど
自分を作らなければならない。

そういう意味では、不遇・逆境というもの
は自己を練る最もいい場所だ。”

(安岡正篤「知命と立命」)


「神渡良平人間学」第23回
は、大島修治様 (ジェイ・コスモ(株)
代表取締役)
をゲストに、【逆境こそ生きる力になる】 のご講演
をいただきます。

福岡で遊技場、飲食店、テレビショッピングなど様々な事業
を起こし、社員数230人、年商75億円を超えるまでに急成長。

当時48歳、平成8年7月
に事件が起きます。遊技場を経営
する会社に押し入った暴漢ガソリンをかけられた大島さん
は、全身6割に大火傷を負ってしまいます。


生死をさまよい
ながら、5度の危篤状態と十数回の移植手術
を繰り返し、その治療のあまりの激痛から何度も自殺しようと
考えたといいます。

「治療をするために毎日包帯をはがすのですが、皮膚が
なくなっているためにガーゼが肉とくっついてしまって、
はがすたびに激痛が走りました。
傷口をお湯につけて、布で洗う時はタワシで直接肉を
そぎ落とされているような痛みが続き、絶叫し気を失う
こともありました。

そして、全身皮膚移植の繰り返し。
「あまりの辛さに何度も死のう、死のうと思ったのですが、
手指も火傷がひどくてグローブのように包帯で巻かれていて、
モノを握ることも首を吊ることも出来なかったのです。」


しかし、そんな地獄の苦しみの中、母の言葉が支え
なり、その苦境を乗り越えられたそうです。

「翌日は右手切断という手術の前日でした。
見舞いに訪れた74歳の母が、「どんな体になっても
生きてさえいてくれれば、この歳でもう一人子供を
授かったと思ってどんな世話でもするからね。
治療頑張ってよ」と、涙ぐみながら言ってくれました。」


その言葉が私を救ってくれました。
医師や家族、そして周囲のお陰で命を何とか取りとめた
大島さん。

しかし後遺症が残り、二年間の闘病生活を経て
復帰した会社も倒産寸前の状態で、従業員30名、
売り上げは数億円までに急減少します。


そこから大島さんは、体の再建、心の再建、会社の再建、
という3つの再建
に取り組みます。
大火傷を通しての逆境を乗り越えて、大島さんはどのような
ことを掴まれたのでしょう?

「自分の心が前向きになると、不思議なもので次第に
病状も良くなっていきました。治療の地獄の苦しみを
味わった今は、犯人に感謝すらしています。
火傷以前はお金の円を求めていましたが、今は人のご縁を
大切にしています。」


逆境を乗り越えて生きる力に変えていった大島さん。
 

 




















”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”