『地球環境、待ったなし』

「地球温暖化対策は生活の質を向上させる」と
考える市民が、世界平均では66%に上るのに
対し、日本では17%にとどまる
意識。
毎日新聞6月12日

この調査結果は、11日に閉幕した国連気候変動
枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の準備
会合
で報告されたものです。


















「温暖化対策が生活の質を高める」
と答えた
のは、世界平均で66%。フランスは81%に達し、
米中印も過半数を占めました。

一方、日本は17%で、逆に対策が「生活の質を
脅かす」と考える人が60%に
上ったそうです。

温暖化への懸念は共通していても、対策が日常
生活に与える影響への受け止め
には、市民レベ
ルで各国に差がある実態
がわかります。

5月にインドを襲った熱波
ほぼ全土で1週間余りにわたって最高気温が40度
を超え、熱中症や脱水症状による死者が2100人

超えました。

同じ月にアメリカ南部に降った大雨では、洪水で
住宅が流されるなどの大きな被害が出ました。

国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)
、去年公表した報告書で、1950年ごろから高温
大雨の増加など異常気象が数多く観測されて
いると指摘しています。
待ったなしの状況となっている温暖化対策

国連のIPCCでは、世界の平均気温の上昇を2度
未満に抑えるという国際的な目標
を達成するには
2010年の時点と比べて2050年には40%から70
%削減する必要
があると指摘。

新たな枠組みでは、途上国を含むすべての国が
温室効果ガスの削減目標を自主的に定めて国連
に提出
するよう求められています。

2020年以降の国内の温室効果ガス削減目標
巡り、政府は地球温暖化対策推進本部会議を
開き、「2030年度までに2013年度比26%減」と
する政府案
を決定。

今後は7月2日までの1か月間、パブリックコメントを
経て同月中旬に確定させ、11月にパリで開かれる
「国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議」
(COP21)
に向けて国連に提出する計画だそう。



















ちなみにEUでは、1990年比40%減を目標にして
います。

2013年度は、日本における温室効果ガスの排出量
が過去最高レベルとなった年


基準年は、京都議定書以降の取り組みとの比較の
しやすさから1990年
か、IPCC第5次評価報告書で
も頻繁に使用されている2010年
を使用する方が、
透明性の観点からは適切であると思います。

WWFジャパンや国内11団体からなる気候行動ネッ
トワークジャパン
は、「京都議定書の基準年である
1990年比に換算すると約10%の削減となり、日本
が掲げる目標としては低過ぎる」
として、これを厳し
く批判。

国連の作業部会にオブザーバーとして参加している
環境問題に取り組む国際NGO「CANフランス」は
「日本の削減目標では、壊滅的な温暖化を避けるの
に十分ではない。国際社会、中でも温暖化の影響を
最も受けている途上国は満足しないのではないか」

と話しています。









産業界
の中では、リコー、イオン、富士通など地球
温暖化問題への取り組みに積極的な国内企業
など
10社が参加する「日本気候リーダーズ・パートナー
シップ
」が、政府の温室効果ガス削減目標案は
不十分で「1990年比30%以上が望ましい」とする
意見書を公表しました。
 
同団体は、温暖化対策に積極的に取り組むことを
ビジネスチャンスと考える企業のネットワーク
として
2009年に設立されたもの(代表・桜井正光リコー
特別顧問
)。
 「省エネなどの有効な対策を十分に強化すること
ができれば、化石燃料輸入による国富流出を防ぎ
、経済活性化や日本が直面する課題の解決に貢
献しつつ、より意欲的な削減を目指すことが可能。

わが国が責任をもって積極的に気候変動問題に
取り組むには、90年比30%以上が望ましい。

気候変動問題において消極的とみなされることは
、国際社会からの信頼を危ういものとし、低炭素
技術や人材等の海外展開にも悪影響を及ぼす
懸念がある」
との主張。


”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”