『トゥキュディデスの罠と米中の戦略』

「トゥキュディデスの罠」

これは先の中国・習主席の米国訪問に伴う米中首脳
会談
で、オバマ大統領が引用したとされる言葉。


















ギリシャの偉大な歴史家、
トゥキュディデスは古代
ギリシャの代表的ポリスであるスパルタとアテネに
よる
構造的な緊張関係を洞察。

急速に台頭する大国が既成の支配的な大国と
ライバル
になるとき面倒が引き起こされる際に引用
されるもので、過去500年間にあった15ケースの
うち11について戦争
が起きたといいます。

その洞察によれば、「アテネの台頭とそのことに
対するスパルタの警戒が戦争を不可避とした」
。

歴史的に見ると、国際社会のトップにいる国は
その地位を守るために現状維持
を望み、台頭する
国はトップにいる国につぶされることを懸念
して、
既存の国際ルールを自分に都合が良いように
変えようとするもの。

米国では、共和党を中心に「中国脅威論」が
強まっている中で行われた習氏の米国訪問。

米国はロシアを排除した先進七カ国(G7)で
結束。これに対し中国はロシアと組んで新興五カ
国(BRICS)
や上海協力機構などの
新たな枠組みづくりに力を入れており、国際秩序
は
米中を軸に分断されつつあります。


















一方で、米国は経済面で中国への依存度を強めています。
米国入りした習主席はアップルなど米中企業トップらと
会談。中国の航空機リース会社は米ボーイング社の
航空機300機を購入することで合意しました。

8月の人民元切り下げ、株価暴落は米国のみならず
、世界経済全体にも衝撃を広げ、世界経済における
影響度の大きさ
を物語っています。
「首脳同士が公式に会談するとき、まず考えるのは
どのような共同文書をまとめるか、だ。

それが最高位の「国賓訪問」とすれば、なおさらで
ある。その意味で、習近平中国国家主席による
9月下旬の米国訪問は、異常だった。
オバマ大統領との9月25日の会談後、温暖化対策
などの共同文書は出したが、共同声明はついに
採択できなかった。」

(日経新聞 米中首脳会談、失敗の「証明」 ) 
 
米中二国間の首脳会談においてオバマ大統領が
引用した「トゥキュディデスの罠」。
「台頭と警戒」という二つの要素を含むこの言葉から
、現在の緊張状態がうかがえます。

習主席が望む、台頭する中国に対する尊敬の期待
。諸国間の紛争の解決においてより大きな発言権
と影響力への要求。

多くの国際アナリストの論評を見ると、米中関係は
ある一定の線を越えたら、国民・国家の認識や
政策が対立
へと流れ始め、そこから後戻りをする
ことは困難だとしています。

そして、その一線を越えた場合、両国に残された道
は、互いに真意を隠しながら戦争準備をするだけ
だとも。

これまでアジア太平洋諸国の多くは、米国と政治
・安全保障上の関係を維持
する一方で、中国と
経済・通商上の関係を発展
させてきました。

米国は中国の台頭を支持し、中国はアジアに
おける米国の軍事的プレゼンスと指導力に反対
しませんでした。

既存勢力の米国と台頭する中国との間にはこの
ような取引があり、基本的にこれが40年以上に
わたるアジア全域の先例のない前進
を支えて
きたといえます。



中国との領有権争いを抱えているベトナム、
フィリピンは中国と対立し、米国に接近
。
米中、それに日本の関係を見守るアジアの国々。
アジア太平洋諸国が、どのように善悪を見極め、
地域の繁栄と平和のために、どのような思想・
行動が望ましい
と判断するか?

その価値観は、大国の影響力を左右していく
ことでしょう。
 
 















”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”