『健康も中庸が大切』

「アルツハイマー病(AD)は先進国病?」 

アルツハイマー病(Alzheimer's disease、AD)
は、認知機能低下、人格の変化を主な症状と
する認知症
の一種で、認知症の60-70%
占めるそうです。

















英国のサッチャー首相、米国のレーガン大統領
は、政府が民間に関わることを嫌い、政府の
財政支出を強引に減らす「小さな政府」の時代
を築いたことで有名。

この二人は政界から引退後、共にアルツハイマ
ー病
に罹ったといわれています。

さてケンブリッジ大学の研究者が、世界192カ国
で細菌やバクテリアなど微生物への暴露状況
とAD発症との関連を調査
したそうです。

その結果・・・所得が高く都市部が発達し、衛生
状態がよい国では、ADの有病率が有意に高い

ことが判明。

例えば、全国民が清潔な水を利用できる英国や
フランス
は、半分にも満たないケニアやカンボジ
アに比べて、AD有病率が9%も高かった
のです。

また、感染症が少ない国──スイスやアイスランド
では、感染症が多い中国やガーナより12%もAD
有病率が高い
ことがわかりました。

「AD発症と強く関連するのは、上下水道など衛生
設備、感染症、都市化のレベル。一つでもAD
増加につながるが、これらの要因が重なると
相乗効果で最大42.5%もの違いが生じる」


同じ国の中でも、地方より都市部でAD有病率が
高い
ことも別の研究で示されました。





















「土や動物を通じた微生物への暴露が減って
免疫への刺激が失われた結果、免疫活性が
弱まり免疫の尖兵である“T細胞”を十分に
作り出せなくなっている。

このT細胞の欠損は、AD患者の脳でよく
見られる炎症反応と強く関連している。」


命に関わる感染症を防ぐことはもちろん大事な
こと。

しかし都市化を進める中、菌を嫌い無菌を目指し
健康に影響を及ぼす化学物質を次から次へ
生み出してきた結果、人体の免疫機能が衰えて
いるというバランスの悪さ
を感じます。

人体は決して機械ではなく、「内なる自然」と言える
もの。

私たち人間社会の維持に欠かせない「生物多様性」
という「外なる自然」
にもっと関心を持ち、調和
目指すことが大切と感じました。






 












”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”