「あらゆる悩みは対人関係の悩みである」
職場や学校で、誰もが直面する人間関係の悩み。
「周囲の人に嫌われたくない」と考えて、自分の意見
を押し殺して生きる人は少なくありません。
職場や学校で、誰もが直面する人間関係の悩み。
「周囲の人に嫌われたくない」と考えて、自分の意見
を押し殺して生きる人は少なくありません。
他人と自分を比較して劣等感にさいなまれて、
自己嫌悪に陥る。自分の性格上の問題を、過去
のトラウマに原因があるとして、不幸だと嘆く。
今から一世紀ほど前に活躍した心理学者で精神科医
であった、アルフレッド・アドラー。
日本ではごく最近まで、その名をほとんど知られていません
でしたが、欧米ではフロイトやユングと並ぶ「心理学の
三大巨頭」の一人として高く評価されてきました。
アドラーは第一次世界大戦の戦争体験などを通して、
人間の心理の本質を究明。フロイトともにウィーン精神
分析協会の中核メンバーとして活躍。
やがて立場の違いからフロイトと袂を分かち、独自の心理学
を構築していきます。その思想は、過去の原因ではなく
未来の目的を重視し、人間は自分自身の力で人生を
意味づけ変えていくことができるという、ポジティブな人間
観に貫かれています。
”過去を聞いても意味がない。それで、あなたはどうしたい
のか。それが重要です。何か希望を持って帰ってほしいと
思って話をする。
大事なのは、過去ばかりを振り返ってあれこれ考えること
ではありません。今、この瞬間をあなたが、いかに生きる
のかです。
変われるのは自分だけであり、自分が変われば、世界も
変わります。”
(『嫌われる勇気』共著者・哲学者 岸見一郎氏)
アドラーは1916年(46歳のとき)に第一次世界大戦に
召集されました。そこで軍医として、多くの神経症の患者
の治療に携わることとなります。
患者とのやり取りの中で、彼は共同体感覚(心と心の
つながり)こそが最も大切だと感じ始め、アドラー心理学
の基礎となっていきます。
「自分自身の幸福と人類の幸福のためにもっとも貢献
するのは共同体感覚である。
それゆえ、人生の問題へのすべての答えはこの結びつき
を考慮に入れなければならない。
それはわれわれが他者と結びついて生きているということ、
もしも一人であれば滅びるであろうという事実に照らした
答えでなければならない。」
(「人生の意味の心理学」アルフレッド・アドラー)
アドラー心理学の大きな特徴として、あらゆる対人関係
は「縦」ではなく「横」の関係にあり、人と人は対等である
と考える点にあります。
この対等であることは、男性と女性、上司と部下、親と子
などの関係において、21世紀に入った現代でさえ本当の
意味では実現できていません。
人生の困難解決につながる「共同体感覚」とは、その構成
要素として次の3つでできている、とアドラーは説明しています。
■他者信頼(他者は私を援助してくれる)
■自己信頼(私は周囲の人へ貢献できる)
■所属感(私は共同体に居場所がある)
要素として次の3つでできている、とアドラーは説明しています。
■他者信頼(他者は私を援助してくれる)
■自己信頼(私は周囲の人へ貢献できる)
■所属感(私は共同体に居場所がある)
ありのままの自分を受け入れること、自分は生きているだけで
誰かに貢献していると考えられること、無条件で誰かを
信じられるということ。
自分だけに関心を持つのでなく、他者に関心を持ち、
貢献してみようと思うことで、このような共同体感覚を育成
していくことが可能になるとアドラーはいいます。
自分を他の自分に交換しなくとも、ライフスタイルを変える
ことで新しい自分になれるのですね。
「自分自身の幸福と人類の幸福のためにもっとも貢献する」
といったアドラーの言葉に強く共感。
誰かに貢献していると考えられること、無条件で誰かを
信じられるということ。
自分だけに関心を持つのでなく、他者に関心を持ち、
貢献してみようと思うことで、このような共同体感覚を育成
していくことが可能になるとアドラーはいいます。
自分を他の自分に交換しなくとも、ライフスタイルを変える
ことで新しい自分になれるのですね。
「自分自身の幸福と人類の幸福のためにもっとも貢献する」
といったアドラーの言葉に強く共感。
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