ケーションが取れない相手がいなくなったことで、逆に閉じることに
価値が出てきたのではないか」
いわゆるスマホ世代のメディアとのつきあい方を評する
興味深く読みました。
価値があった旧世代メディアに対して、絞るほどに価値を増す
可能性のある分散型メディア。
スマホ世代とは、スマートフォンが最初のデバイスであり、
スマートフォンの作法で育った若者たち。
インターネットが日本で普及し始めた1990年代前半頃に生まれ、生まれながらにしてITに親しんでいる世代は、デジタルネイティブ
世代と呼ばれています。スマホ世代はこの大きな枠の年少者たち。
「デジタルネイティブの時代」木村忠正著では、デジタル
メディアに青少年期から本格的に接した世代で、1980年前後生まれ
以降を指しています。
”第1世代(~1982年生)、第2世代(1983~1987年生)、
第3世代(1988~90年生)、第4世代(1991年生~)に細分化でき、
第2世代と第3世代の間に大きな変化がある。
第2世代までは、オフライン(リアル)がコミュニケーションの
基盤・規範として機能しているが、それ以降は、オンラインの
人間関係が、それ自体の自律性を獲得している。”
そしてオンラインでのコミュニケーションが彼らに受け入れられていく
プロセスで、以下の4つの特性が強い方向づけを与えたといいます。
②親密さを持たないテンション共有の志向
③コミュニティでもソーシャルでもないコネクション志向
④サイバースペースへの強い不信感、低い社会的信頼感と強い不確実性回避の傾向
IT機器がパソコンからスマホへと移行しつつある中で、スマホの普及率
が高まり、スマホを通して初めてネット世界に触れる世代が現れ、
「スマホ世代」と呼ばれるように。
”私たちの世代がインターネットや交流サイト(SNS)を「知っている誰か」
だけでなく、「知らない誰か」ともつながるオープンな環境と考えるのに
対して、スマホネイティブ世代は閉じるためにSNSを使う”
(村山らむねさん)「10代はSNS自体に利便を感じつつも、見ず知らずの人間との関係構築
には比較的慎重である」という傾向が見えました。他の世代と比べて利用時間が長い一方、SNSで知らない人とつながることには
デメリットを感じる割合が高い、など人間関係を家族や友人・教師などに
限定しつつ、利用する傾向。
”Facebookはソサエティ、Twitterはコネクションとして、共有したいけど
強制するのは嫌であり、同じテンションででないと迷惑”(木村忠正氏)
そして日本は、世界平均と比べてフェイスブックの利用率が低く、ツイッター
の利用率が高いそうです。上の世代がソサエティ(主体を確立した個の
つながり)を楽しむのに対し、コネクション(多元的、流動的な個のつながり)
志向を強くする若者世代。
「新村社会」が日本につくられてきていることを以下のように表現。
の増大、関係の拡大―過剰―が、ひとつひとつの関係を薄くしてしまったこと
で、「キャラクター」などの記号を媒介とした表面的なコミュニケーション
が主流になった。
そのコミュニケーションでは、その場を楽しくやり過ごすことが絶対化し、
結果「空気を読むこと」が非常に重要な「新村社会」になっている。”
この「新村社会」では、「その場に合わせないといけない」「場を乱しては
いけない」というお作法(同調圧力)があり、人間関係において過剰な気遣い
が生まれているそうです。同世代同士の水平的な人間関係が見られるこの村は、しがらみの多い息苦しい
人間関係の中でいかに周囲と上手になじめるかが重視されるという。
何か不調和で持続的でない関係性を感じます。「個」がつながりを求めるという世代的特徴を持つスマホ世代。この若者世代
のことを、大人世代が理解しつつサポートすることで、両者は交流や協力
を持てることでしょう。
0コメント