『とびきり未来志向で楽観的な人財を生み出す大学』

将来的に生き残れるのは、「人間とロボットを含めて世界が

どうなるのかを考えて、その中で、人間としての自分が

どのような立ち位置になるのか」を見通せる人材。”

クラウドワークス社長の吉田浩一郎氏による、新経済連盟の就職・
採用活動に関する提言

”20世紀は、人間がお金を稼いで、人間が「モノ」を買って
消費すればいいという、人間を中心とした大量消費の時代でした。

今は、社会全体が、必ずしも人を主軸に置いていません。

「サステナビリティ」とか「低炭素社会」とか「シェアリング・エコノミー」

といったかたちで、自然や社会のことを考えようということで、

人間が中心ではなくなってきているという感覚を持っています。


また、特に重要なのは、テクノロジーと金融という切り口。
これは目に見えない部分が多いのですが、近年はこの二つによる

「社会の最適化」がすごい勢いで進んでいて、人間自体を置いてきぼりに

しているところもある。


これまでの「人間中心」主義から「社会の最適化」主義に、

時代は大きく変わっているのではないでしょうか。”


このような大規模的社会変化に対して、従来型の大学スタイルは、

必ずしも最適ではなく、大学教育のあり方自体が変わらなければならない時期

であると、多くの識者が認識しています。

この課題は、日本のみに限らず世界全般で共有されている強い関心事ですが、

米国では既に先を行く取組みが始まっています。

「2030年代に人間の脳はクラウドに接続可能になり、メールや写真を

直接、脳に送信したり、思考や記憶のバックアップを行ったりできる

ようになる。

これは脳内毛細血管を泳ぎまわるナノボット(DNA鎖からつくられる

極小ロボット)によって可能になる。」

世界的な未来学者で発明家レイ・カーツワイル氏は言います。

非生物的な思考へと脳を拡張することは、私たちの祖先が道具を使用する

ことを学習したのと同様に、人類の進化の次なるステップであるそう。

「人間は、脳モジュールの階層レベルを増やし、さらに深いレベルの

感情表現を生み出すだろう。」


このカーツワイル氏とXプライズ財団創設者のピーター・ディアマンディス氏

が、2008年に設立したシンギュラリティ大学

シンギュラリティ-(技術的特異点)とは、技術が加速度的に発展し、

AIがポストヒューマンとして世界を担う分岐点を指す言葉。


「あるとき、進歩が速まる一方の技術と生活様式の変化が話題となり、
「シンギュラリティー大学」は、利益より社会の持続可能性を重視する

ベネフィット・コーポレーション。

一般的な大学機関のように学位授与などはなく、技術革新をテコに

食糧不足や環境汚染、保健衛生、貧困、安全保障など、世界共通の

課題解決に挑む人材を育てる組織。


毎夏の10週間に開講する大学院レベルのGSP(定員80名)には、

毎年3千~5千人が応募し、これまでに85カ国で2000人以上が卒業。

GSPの選考基準は3つで、大学院レベルの知識を備えている。

起業経験もしくは起業に必要なスキルがある。大きな課題を解決しよう

という情熱があること。


前半の5週間で、最新の技術動向や世界が抱える難問についての理解を

深め、後半の5週間はチームになって解決策を編み出すもの。

「世界を変える」が合言葉のシリコンバレーで、とびきり未来志向で

楽観的な人財がどんどん生み出されている様を感じます。


日本でも、社会的課題の解決に取り組む、世代を超えての共創

欠かせませんね。 

参考:日経web革新力The Company 第5部

”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”