「見終わって晴れ晴れした気持ちになるような作品にすること」
98年に亡くなった黒澤明監督の遺稿にある言葉。
98年に亡くなった黒澤明監督の遺稿にある言葉。
人々に笑顔が戻ったとき、雨もようやくあがった。
やっと外に出られた伊兵衛は、偶然若い侍たちの果し合いに遭遇し、懸命に彼らを止める。
その様子を藩の城主である、永井和泉守重明が見ていて、伊兵衛に藩の剣術指南番の話を持ちかける。
やっと外に出られた伊兵衛は、偶然若い侍たちの果し合いに遭遇し、懸命に彼らを止める。
その様子を藩の城主である、永井和泉守重明が見ていて、伊兵衛に藩の剣術指南番の話を持ちかける。
ところが、頭の固い城の家老たちは猛反対。ひとまず御前試合で判断を下すことになる。そこで伊兵衛は、自ら相手をすると申し出た和泉守を池に落とすという大失態をしてしまう。
それから数日後、伊兵衛の元にやってきた家老は、賭試合を理由に彼の仕官の話を断った。」”確かに主人は賭け試合をしました。夫が2度としないと約束した賭け試合を何故したのか。大切なのは何をしたかより、何のためにしたかです。あなたたちのようなでくのぼうには、お分かりにならないでしょう”
妻は、夫が何のために賭け試合をしたかも分からずに判断を下した彼らを木偶の坊と非難し、仕官の話を辞退するのでした。
梅雨が明けて晴れ間が顔を出し、川止めが解除された中を出発する多くの旅人たち。そしてその中には、仕官の機会を逃してしまった伊兵衛と妻のにこやかな表情がありました。
再び旅に出る伊兵衛とたよ。その後方には、ふたりを追って馬を駆る和泉守の姿が。
再び旅に出る伊兵衛とたよ。その後方には、ふたりを追って馬を駆る和泉守の姿が。
「いずれやみますよ。……これまでの雨はみんなやみましたからね。」
伊兵衛の言葉が爽やかに聞こえます。
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