「不眠の時代」と呼ばれ、昼夜の区別なく人間が活動するようになった現代社会。
便利、安全、豊かな社会―その裏側にある、夜の仕事に従事する人々。
映画『眠れぬ夜の仕事図鑑』は、「いのちの食べかた」でアムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭特別審査員賞ほか多数の賞を獲得したニコラウス・ゲイル
ハイター監督による、夜に活動する人々の姿を追ったドキュメンタリー。
撮影はヨーロッパ10ヵ国170時間に及び、国境警備、 病院、ビール祭り、バチカンの夜ミサ、ヨーロッパ議会など、私たちが便利・安心・快楽を享受するために行われている業務を極力説明をはさまず綴っています。
人間の欲求が交差し、物が浪費される社会の 写しを通して、現実を見つめ物事のあり方を考えるのによい映画です。
ドイツ・ミュンヘンで毎年秋に開催されるビール祭り
オクトーバーフェスト。毎年650万人が訪れ600万杯
以上のビールが飲まれ乾杯の大合唱が起こり、
30万本以上のソーセージが食べられる祭り。調理師、ホール係をはじめ、酔いつぶれる人を救護
するために救急隊員も控えている。
イギリス・ロンドンにある警備会社Street Care CCTV では、犯罪防止やテロ対策のために町中に設置された監視カメラを監視員たちが24時間見つめている。イギリスは国民14人に対して1台の割合で監視カメラ が設置されている監視大国。 mv49973-l プレストンにある戦闘機組み立て工場では、イギリス、ドイツ、スペイン、イタリアが共同開発した最新鋭戦闘機 を組み立てるエンジニアたちの姿があった。
オランダ・ヘンゲロには、ボランティア相談員が人間関係 や病気などの悩みを抱えた人に24時間年中無休で電話相談に応じる自殺防止ホットラインがある。しかし相談員は簡単になれるものではなく1年間訓練する必要があるため、人員不足に陥っている。
ドイツでは宗教的な理由により今でも土葬が多いものの、年々火葬も増えてきている。葬儀が終わると棺は 階下にある火葬炉へゆっくりと運び込まれ、参列者は このタイミングで解散となる。ドレスデンにある火葬炉では、同じ形の棺がクレーンで 次々と運び込まれ、機械的に火葬される。
メリリャはモロッコの地中海沿岸にあるスペインの飛地領で、モロッコとスペインの国境線を示す光のフェンスが 暗闇に浮かぶ。アフリカ側から不法入国しようとする亡命者が後を絶たず、国際問題に発展している。モロッコとの国境を示すフェンスが暗闇に浮かびあがり、国境警備隊は目を光らせ ている。
その他、オランダ・アーネムで行われるダンスイベント、
夜のミサが行われるイタリア・ローマやバチカン市国、イギリス・ラングリーにある郵便仕分け会社、ドイツ・ヴィット
リッヒの警察官訓練所など、夜でも利用者が便利・安心
・快楽を享受するために仕事をする人たちにフォーカスを当てる。
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