『未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだ。 未来を予測しようとすると罠にはまる。』
(ピーター・ドラッカー博士)
仕事において本来の目的や意味を問い直す時に、参考にしたい例え話を紹介しましょう。
ある建築現場で、通りかかった旅人に何をしているのかを聞かれた三人の石工がいた。
■一人目の男の答え 「これで食べているのさ」
■二人目の男の答え 「腕のいい石工の仕事をしているんだ」
■三人目の男の答え 「国で一番の教会を建てている」
さて私たちは毎日、何のために働くのでしょうか?
もしそれが、経済的な理由だけの場合であるなら、そのことに人生の大半を費やす価値はあるのでしょうか?
■一人目の石工は、「食事」が目的。そのため手段はどれでもいいことになります。
■二人目は、自身の「技術」が目的。自分の納得いくモノを作ることに集中しますが、お客さんの視点がありません。
■三人目は、お客様の「要望」に応えることが目的。 しかも、楽しくやっており、良い成果がだせそうです。
実はこれ、ドラッカー博士による有名なたとえ話。
ところで、さすがドラッカー博士。この話に、四人目の石工を登場 させています。
工事現場の一番奥にいた、四人目の男はこう答えた。
「私はこの地域に住む人々の、心が通い合う場所をつくっているんだ。」
あくまでも「教会は手段」であり、 「目的は利用者の幸せ」にあります。
働き手のやる気を考えると、単に「教会を作る」よりも、「地域の人を幸せにするための教会を作る」方が、志高く仕事に取り組めることでしょう。
ドラッカーが加えた四人目の石工は、目的が明確になっているので、他の石工が作る教会よりも、きっと良い建物をつくることと思います。
とかく目先の利益や短期的な効率性に関心が向きがちな現代日本。つい本来の目的や価値を見失いがち になります。 たしかに利益は、経営を継続するために欠かせません。しかし、最終の目的では決して ありません。
ドラッカー博士は、渋沢栄一や論語を研究しながら、このような経営の基本となる考え方をこそ社会に広めたいと考えていました。「何のためにこの仕事を行っているのか」という原点に立ち返ることはとても大切ですね。
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