『グーグルにおけるダイバーシティとは、多様性のある考え方の
ことであり、異なる性を増やすのではなく、「思考のダイバーシティ」
を増やしていくことです。』
(「日本の女性登用は的外れ 女性的資質で考える新組織論」NIKKEI STYLE)
こう語るのは、ピョートル・フェリクス・グジバチさん。米グーグルで、
人材育成と組織開発、リーダーシップ開発などで活躍してきました。
その経験をもとに複数の本を著しており、いずれも大人気です。
ピョートルさん曰く、『日本ではいまダイバーシティの推進が叫ばれて
いますが、ただ女性や外国人を増やそうとしているだけの話が多い。』
耳に痛い言葉ですが、日本企業の現状を見ると「確かにそう」。
そしてスタートアップ経営者や女性ビジネスリーダーたちのコーチングを
手掛けるマリア・ベイリーさんは、ビジネスにおける多様性の本質を
とてもわかりやすく説いています。
『多様性は実は自分の内側にもあり、自分の中でネガティブだと感じていた
気持ちの中にこそ最大の知恵が詰まっていたりします。 』
『企業活動においては、その内側にある知恵を引き出すことで問題を
解決できたり、未来を作ったりするヒントがあるのです。』
私は少し前から、「SDGsにつながるリーダーシッププログラム」を創って
います。ちょうどこの個人の内側にある思いや知恵を活かすこと、
イノベーティブなリーダーをKeyに考えていたので、ピョートルさんと
マリアさんの対話は大いに参考になります。
本田宗一郎さんは、「創意発明をするにはどうしたらいいかと
よく聞かれるが、そのような手法などない。創意発明でなく、
苦し紛れの知恵なんだ。突き当たって苦しんだ時に出る知恵なんだ。」
と言いました。
深く考えもしない独善的、机上空論的な論理分析とそこから導き出される
戦略・計画は、答えが必ずどこかにあると考える安易なプロセスでしかない。
そのような戦略・計画に喜んで動こうとする人はいない。共感が得られない
取り組みは上手く進まないもの。
スティーブ・ジョブズは、自分がアップルにいるのは最高のコンピューター
を開発するためだと生前語っていました。
『私は「偉大な製品をつくろう」と意気込む人たちが集まる、
永続する企業を築くことに情熱を傾けてきました。
これ以外は副次的なものでした。
もちろん利益が上がればすばらしいですよ。利益が上がってこそ
偉大な製品をつくれるわけですから。
ですが、動機はあくまでも製品であって、利益ではありません』
予測不能な時代の中で、新しい価値を生み出していくのは社会を
より良くしていこうとする個人の思いや知恵。
ジョブスが語ったように、限られている時間の中では他人が考えた
枠の中で生きてくのではなく、自分で思考をめぐらして自分らしく
生きる、自分の仕事を好きになり、最高の仕事を目指すことが
人生の本質。
そしてその思い=志を言葉に現すことで、周りへ伝えることができ、
共感の輪につながる可能性が生まれます。
今創っているプログラムが、その後押しをできるものとなるように!
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