『食糧の未来』

放射能汚染と共に、私たちが認識すべき環境・健康に
影響する大きな問題
がある。

果樹や野菜の受粉に役立つミツバチやマルハナバチを、
広く使われている「ネオニコチノイド系農薬」にさらすと、
群れの中での女王蜂の数が減ったり、帰巣能力を失って
巣の外で死んだりする異常が起きる
のを確認したと、英国や
フランスのチームが米科学誌サイエンス電子版に発表。



私は2008年に『悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」-
ミツバチが消えた「沈黙の夏」』
(三五館)を読み、
自然や人体への健康を顧みない毒薬である「ネオニコチノイド」が
日本を含めて世界中に拡がっている恐ろしい現実を知った。

その後、ミツバチが世界各地で大量失踪する事件が起き、
話題となった。『ハチはなぜ大量死したのか』(文藝春秋)
を読み、この「ネオニコチノイド」が大きく影響を与えているであろう
ということがわかった。

「ネオニコチノイド」を開発したのは「モンサント社」。ベトナム戦争の
「枯れ葉剤」を開発・製造していた企業である。
モンサントは、GMO(遺伝子組み換え植物)開発に成功し、
世界最大の種子メジャー
に変貌し、遺伝子組み換え種と
ネオニコチノイドを主力商品としている。また米国の核兵器の起爆装置
の多くを製造する。

同社はかつてPCB(ポリ塩化ビフェニル)を生産し、1970年代に
禁止されるまで、この化学物質が安全であると宣言していた。2002年に
植え付けされた90%以上の土地の遺伝子組み換え種が同社のもの。
遺伝子組み換えダイズを含むそれらの多くは、同社の除草剤「ラウンドアップ」
に抵抗力を持つよう遺伝子組み換えがなされた。



モンサント社、シンジェンタ社、バイエルクロップサイエンス社、
デュポン社
といったバイオテクノロジーの巨大企業は、
遺伝子組み換えの使用に対する特許料の支払いを生産者に
要求
している。

遺伝子組み換え作物を生産し農業を営んでいる南北アメリカの
生産者たちは、もし彼らが翌年の栽培のために種子を保存したり、
あるいは特定企業以外の除草剤を使用した場合は起訴されると
いう内容の契約書に署名しなければならない。
種の特許により、これらの企業は農産物の市場を
独占しようとする狙い
だ。

世界最大の穀物商社カーギルなど
穀物メジャーも、モンサントと連携している。
TPPを推進しようとする米国政府。その裏にはこうした
食糧に関わる勢力があることを覚えておきたい。

映画「モンサントの不自然な食べもの」
多くの方に見ていただきたい。
http://www.uplink.co.jp/monsanto/

”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”