孔子は、人生において順逆の風をそれぞれに受け、理想と現実との
乖離に辛苦を舐めた後に、仁(愛)と恕(思いやり)が生きる上で
一番大切なものであることを説きました。戦後日本の中で、松下幸之助や稲盛和夫などの名経営者たちは皆、
論語に学びました。
また、安岡正篤を師に、先賢の知恵から徳を磨くことなども
熱心に行いました。
その上で、社員の人生を思いやることが会社経営で大事なことであると理解したといいます。
”自分が幸せになるには、他人のことを考えなければならない。
「恕」を知らないと、優秀な社員も、取引先も、ひいては顧客も集まらない”
ところが、二代目以降のサラリーマン経営者に代わっていくと、
『論語』を読まない。読んだとしても本当には学んでいない。
”本から学ぶ人には、その人の中に肚のすわった何かがあるはずです。
でないと、何冊読んだって役に立たない。”(平本 清氏:メガネ21相談役)
http://president.jp/articles/-/3789
そんな中で、経営者に都合の良い不合理なピラミッド型組織と、
派閥の服従関係ができあがっていきます。
苦労して創業し、社員の身を考える大切さを知る経営者が第一線を退き、古典教養に欠けた人物が政財界に君臨し始めた辺りから、
日本はバブルという名の拝金主義と、その後の「失われた十年」あるいは二十年とも言われる社会的に灰雲が立ち込める状態が続きました。
国境を超えた人材の交流やIT技術の発達がどんどん進む一方で、
硬直化した社会・企業の構造が旧態依然として変わらない日本。
3.11後の復興が遅々として進まないように、政治や経済でのリーダーシップがとれていません。
様々な関係に歪みが生じて弊害が現れていることが、世の中の随所に
みられていることを国民は感じています。
”子曰く、学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆し。”
孔子は言いました。
「人に知識を教わるだけで、それを自分で思考しなければ、
物事の道理を理解できません。また、自分で思考するだけで、
人に知識を教わらなければ、独断と偏見に陥り危険です。」
”ITというのは本当に凄くて、組織の下が上よりも「知る」ようになり、
孔子は言いました。
「人に知識を教わるだけで、それを自分で思考しなければ、
物事の道理を理解できません。また、自分で思考するだけで、
人に知識を教わらなければ、独断と偏見に陥り危険です。」
”ITというのは本当に凄くて、組織の下が上よりも「知る」ようになり、
上が何も知らないバカだということを見抜いています。
現場の情報を斟酌することに長けた偉いトップもいますが、経営トップの回転の遅いギアに、若手の高速回転のギアを繋げたって、
ゆっくりとしか回れない……
これがおおかたの大組織の現状でしょう。”(平本氏)
組織の上に立つほど、それなりの品格が求められるもの。
拝金主義が蔓延した中国では、その反動で論語関連の本が
拝金主義が蔓延した中国では、その反動で論語関連の本が
ベストセラーになっていると、知り合いの中国人から聞きました。
「一流の人間になるには、文化や哲学が必要。
二流の人間ならブランドや名前だけで十分で、
三流なら商品やお金さえあればいい。」
「自反(みずからの言動をかえりみること)」の大切さを思います。
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