『まずモノをつくって、それがなぜ必要なのかを
喚起していく。これがマーケットクリエーション
でしょう。
私はマーケットサーベーに頼らない。
「あなたは何が要りますか」と聞いてつくったん
では遅いんですよ』
喚起していく。これがマーケットクリエーション
でしょう。
私はマーケットサーベーに頼らない。
「あなたは何が要りますか」と聞いてつくったん
では遅いんですよ』
井深大氏と並ぶソニーの創業者の一人で、
主にマーケティングを担当していた盛田昭夫
氏が、1987年に週刊ダイヤモンドで語った言葉
です。
世の中に存在しないもの、人が見たことも使った
こともないものをつくる。
であるならば、人々に「どのような製品が必要か」
などと聞くこと自体が無意味だということ。
これを聞くと、スティーブ・ジョブズ氏の顔が
浮かんでくるのはおそらく私だけではないでしょう。
ジョブズ氏は、マーケットリサーチをしなかったと
いいます。自分がどんなものが欲しいのかを知る
ことは、消費者の仕事ではないという考えから
でした。
ジョブズ氏よりももっと前から、同じような考えを
持ち、そのメッセージを社会に発信していたはず
のソニー。
なぜ今日のアップルのようになれなかったの
でしょうか?
設立趣意書にある『真面目なる技術者の技能を、
最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快
なる理想工場の建設』というすばらしき創業時の
精神を持っていたソニー。
本来技術者が中心であるはずの会社は、
その技術者たちを大量にリストラしてきました。
とりわけ2005年以降、ストリンガー体制になって
からの加速。2009年、最先端技術を研究する
部門は解体され、それがきっかけとなり、技術者
達は次々とライバルメーカーである韓国の
サムスン電子やLG電子へと移籍。
その後、ソニーを含め日本の電機メーカーは、
韓国メーカーの後塵を拝することに。
週刊ダイヤモンド「さよなら!伝説のソニー」で
は、現経営陣が、いかに井深・盛田両氏の創業
の精神とかけ離れた方向へ導いてきたのかが
よくわかる内容です。
ソニーが急激に色あせてしまった原因。
それは、技術者を中心に前例のない革新的な
製品を世に送り出すという、ソニーの本質を
忘れた経営陣が、この10年間トップに居座り
続けてきたという、その一点に集約されて
います。
参考:50年前の『週刊ダイヤモンド』から読み解く
ソニーの“本質”とアップルになれなかった理由(ダイヤモンドオンライン)
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