「大君は 神にしませば 天雲の
雷の上に 廬りせるかも」 (柿本人麻呂)
60年ぶりの大改修「平成の大遷宮」が進む出雲大社
で、昨晩最も重要な祭事「本殿遷座祭」が営まれ、
2008年4月から仮殿に移っていた御祭神・大国主神
のご神体が、修復を終えた本殿(国宝)に戻られました。
雷の上に 廬りせるかも」 (柿本人麻呂)
60年ぶりの大改修「平成の大遷宮」が進む出雲大社
で、昨晩最も重要な祭事「本殿遷座祭」が営まれ、
2008年4月から仮殿に移っていた御祭神・大国主神
のご神体が、修復を終えた本殿(国宝)に戻られました。
日本には八百万の神というように、数えきれないほど
の神様が存在されますが、大国主神ほどに多くの
御神名を持たれている神は他になく、この国土に広く
霊威をあらわされたことを物語っています。
大国主神(オオクニヌシノカミ)は、古来に多くの名で
讃えられていました。
・オオナムチノカミ(大穴牟遅神、大己貴命)
・ウツシクニタマノカミ(宇都志国玉神)
・アシワラシコオノカミ(葦原色許男神)
・ヤチホコノカミ(八千矛神)
日本書紀には、こうあります。
「オオナムチノカミ・スクナヒコナノカミト
力ヲアワセ心ヲ一ニシテ
天下ヲ経営り給ウ マタ
顕シキ蒼生及ビ畜産ノタメニ
即チ 其病ヲ療ムル方ヲ定ム マタ
鳥ケダモノムシノ災異ヲ攘ワンタメニハ
即チ マジナイノ法ヲ定ム
是ヲ以テ 生キトシ生ケル
スベテノモノ恩頼ヲコウムレリ」
昔から日本の各地方には「一の宮」が祭祀されて
きましたが、そこに祭祀されている神様のほとんど
は、出雲人が祖神と仰ぐ大国主神の神統に
つながる神々。
「一の宮」は霊験貴い神様を祭祀して、政治を行う
という由緒ある神社であり、地域社会の繁栄と
安泰の原点に対して、出雲の神々がいかに国土
創成に活躍されていたかを知ることができます。
鎌倉時代、西行法師は「何事のおはしますをば
しらねども、かたじけなさに涙こぼるる」
と詠みました。
江戸時代、本居宣長は 「古事記伝」にて
「尋常ならずすぐれたる 徳のありて可畏かしこき物」
(日常の経験とは異質な人間を超えた感覚を
与えてくれるもの)
と言ったのは、古来より日本人が親しみ身近に
感じることができていた目に見えない力や
エネルギーとしての神の存在を表すものだった
のでしょう。
先祖代々とか子々孫々という言葉は、日本人の
独特の感情から発せられる言の葉ですが、
それは古代から生み生かされてきた命の正しい
継承と永続性を願う心に応えていただける神
を慕うものだと思います。
出雲大社の新しい本殿に大国主神を迎えられた
ことにより、その霊力が甦り、人心が清らかに
なるとされています。
御神徳に只々有り難いことと感謝するばかりです。
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