『自然界からのごちそう』

野生動物のお肉で一番美味しいのは、「シカ肉」

今から14年ほど前、1999年長野県下伊那地区で、
野生鹿による森林被害を受けて行われた、鹿の
生態調査

















当時、それまでのSEの仕事を離れて、自然環境保全
を学んでいた私は、この調査にアルバイト参加。

下伊那の山奥にある民宿に、他のスタッフと泊まり
込んでの10 日間、毎日周辺の山の中に入っては
コンパスと高度計を持ち、決められた自分の調査
エリアを上から下へと歩き、途中見つけた鹿の痕跡を
地図に落とし込んで
いきました。

ある時は野生のイノシシに遭遇し、またある時は
藪をこいで進んでいったところ崖の上に出て困ったことも。 

開かれた山道を歩くのではない、まさに野生の自然
そのものを体感できた貴重な時間
です。

朝から夕方近くまで体力を使う中で、一番の楽しみ
は宿の食事

 
何よりも「シカ肉」は絶品。


日本に古くから大事にされてきた、「いただきます」の
精神
。自然の一部を自分の中に取り込む際の感謝
の気持ちです。

後に、師匠のC.W.ニコルさんから「シカ肉」の話を
聞いてわかったことは、鉄分やアミノ酸、プロテイン、
ミネラルが豊富に含まれている優れた食材
であると
いうこと。

最近日本でも、増えすぎた鹿を捕獲して食材に
有効活用
する「ジビエ」(仏語で野生鳥獣の肉)
を普及させる動きが、起きています。

捕獲された鹿のほとんどは廃棄処分されているという、
とてももったいない状況に対し、ステーキやソーセージ、
ハンバーグなどの料理に使って消費する
もの。

鹿肉の流通システムが作られることで、野生動物に
よる森林や農業の被害を軽減
することにつながります。

もちろん荒廃した森林の生態系を保全していく
取り組みも必要
であり、シカ肉消費によるお金が
その仕組みに活用
されていけばよいでしょう。

そんなことを書いてていたら、「シカ肉」の鍋やハンバー
ガーが久しぶりに食べたくなってきた。

参考 C.W.ニコル「鹿肉ハンバーガーが森を救う!?」



 

”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”