「映画を使えば、人間の知識のすべてを教える
ことができる」
そう語ったのは発明家トーマス・エジソン。
エジソンは、「学校の教室で教科書はじきに
廃れていくだろう」と予想しました。
ことができる」
そう語ったのは発明家トーマス・エジソン。
エジソンは、「学校の教室で教科書はじきに
廃れていくだろう」と予想しました。
しかしその後100年近く、少なくとも日本では教科書が
廃れることはありませんでした。
中世の時代からほとんど変わらない学校の姿-
生徒は何列にも机を並べ、教師は前に立って講義する
という形式のままです。
ところが最近、学習のスタイルを変革する動きが
起こりつつあります。
「教育のデジタル化」や「スマート教育」と呼ばれるもの。
佐賀県武雄市では、日本で初めての試みとして市立の
全16小中学校の児童生徒約4千人にタブレット端末を
配布し、授業で活用することを決めました。
既に一部の学校では、先行的にタブレットを用いた授業
が行われ導入前後の成績を比較して、算数の学力が
著しく向上したクラスもあったといいます。
「授業への参加意欲を高める」のが狙いということで、
樋渡市長は「全校長が希望したことが大きなきっかけ
だが、障害がある子どものためにも必要と判断した」と
話しています。
諸外国ではデジタル社会の発展にあわせ、机に座って
「紙とペン」で授業をする教育を改める動き、
すなわち「教育のデジタル化」や「スマート教育」が
進んでいる様子。
松原聡氏(東洋大教授)は海外の導入事例を挙げ、
「日本が遅れているといういら立ちがあった。
武雄市が先鞭をつければ、国の教育を動かすこと
にもなる」と期待を述べています。
但し、タブレットの教育現場での活用には課題
もあります。
IT教育に詳しい野間俊彦氏(東京都北区立
王子第一小学校副校長)は、「費用」「サポート」
「セキュリティと管理」の3つの課題が存在すると
指摘。
■「費用」が掛かる
端末代×人数分の他に、ソフトの導入から無線LAN
の設置工事、保管場所の設置、メンテナンス、修理、
廃棄処分まで、莫大な金額が必要
■「サポート」の必要性
パソコンが起動しない、ハングアップしたりといった
トラブル発生時に、担任1人しかいないとお手上げで
あり、パソコンサポーターの配置が必要。但し、これ
また費用が掛かってしまうのが悩ましい
■「セキュリティと管理」の問題
ネットに接続する以上、ウイルスや情報流出の対策
をしっかりしなければならない。何百台という端末の
セキュリティ上の点検を誰がするのか。
また、端末が小さくて軽いだけに、盗難や紛失の心配
もある。保管や、充電、管理はどうするのか。
おそらく武雄市の導入でも上記の課題が検討され、
実際に導入しながら改善を図っているのでないでしょうか。
詳しくはわかりませんが、今後効果と共に改善の工夫
などの情報が出てくることでしょう。
さて、一方で学習塾でも「教育のデジタル化」は進みつつ
あります。
”学習ドリルなどの教材を、タブレット端末で提供する
ビジネスが広がってきた。
ベネッセコーポレーションは、「進研ゼミ」の小学・
中学・高校講座で、専用端末を使った新サービスを
来春開始すると発表。
採点のスピード化や理科実験の映像配信など、
ネットワーク機器の強みを生かしたサービス内容で
子供を引きつけられるとして、学習塾でも近年導入が
相次いでおり、会員280万人を抱える通信教育大手
の本格参入によって、デジタル教育の市場が
ますます活性化しそうだ。”
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20131004-00000017-biz_fsi-nb
高速のモバイルネットワークや廉価なタブレット端末、
膨大なデータを安価に処理できる能力、洗練された
オンラインゲーム機能、そして適応型のソフトウェア
などを使えるようになってきたことが、IT活用による
学習が進みつつある背景にあります。
より基礎的な内容は、家庭でコンピュータを前にして
学習する。
一方、学校の授業時間では、家で身につけた知識の
復習や定着、確認を行う。
と、ここまで「教育のデジタル化」について最近の日本での
動きを紹介してきました。
「教育のデジタル化」にはもちろん今後期待していますが、
但し、それはやはり教育のツールであると思います。
「デジタルを学ぶ」のではなく「デジタルで学ぶ」ということを
忘れてはいけないですね。
紙と鉛筆、デジタル教科書それぞれの特性を生かし、
教育効果を高めるための教育手法により、IT時代の
リテラシー向上をめざすのが「教育のデジタル化」の主旨。
大切なことは、10年後、20年後・・・50年後の未来は
どんな社会であるか未だ明らかでない中で、自分たちが
望む社会をどのように創り上げていくかということにあります。
成人になってから取り組むのではなく、子どものうちから
問題解決を協働で実体験させる「プロジェクト学習」は大事。
一人ひとりの自立性と共に、協働性も高めていくものです。
子どもたちが問題解決能力を習得しつつ、それを活かし
ながら社会の様々な人や組織と協働して、持続可能な
未来の共創に取組む実践的体験を行う場が求められます。
実はこの先進的な学びは、既に「ネクスファ」 にて未来を
生きる力を学べる授業「サス学」として行われています。
「ネクスファでは、子どもたちが将来、社会という大海原を
自力で漕ぎ出せるような自らの価値観と主体性を備え、
社会を生き抜く力のことを「未来をつくる力」と呼んでいます。
高校受験や大学受験はゴールではありません。
将来、社会に出たときに求められる力を今から身につけて
おくことが必要なのです」
http://next-ph.jp/about.html
多角的な視点を有するエネルギー問題、途上国の抱える
根源的な環境問題、食料自給率の低さに対する食や農の
問題、などを子どもたちが共同の課題として理解し、
いかに解くことができるのか。
正解は用意されておらず、最適解を得ようとする試みが
大切になります。
まさに「考える力」が問われるもの。
必要な情報を集めて分析し、その中から真に得たいもの
だけを掴み出して、活用しながら表現することを学ぶ。
様々な専門家のサポートを受けながら、子どもたちは
目を輝かせて実体験の学びを楽しんでいます。
私はこの場へ関わることを有り難く思いながら、「サス学」は
今後いっそう社会から求められるであろうことを感じています。
そして社会にいっそう拡げていく用意をしているところです。
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