”「期待をはるかに超える出来栄えだ。
魂を動かされた」
JR九州の豪華寝台列車「ななつ星」を報道陣に
公開する前日の9月12日。
魂を動かされた」
JR九州の豪華寝台列車「ななつ星」を報道陣に
公開する前日の9月12日。
車内を初めて見たJR九州の唐池恒二社長は、
感激した面持ちで車両をデザインした
水戸岡鋭治さんに右手を差し出した。
がっちり握手を交わした瞬間、水戸岡さんの目に
涙がにじんだ。”
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130921/biz13092114270006-n1.htm
JR九州が約30億円をかけて製造した豪華寝台
列車「ななつ星」が話題です。
今月15日から運行を始め、来年3月まで予約で
満席。
その好調ぶりに、JR東日本やJR西日本も相次いで
豪華列車を導入する方針を決めたといいます。
http://www.cruisetrain-sevenstars.jp/index.html
この「ななつ星」をデザインした水戸岡鋭治さん。
九州のローカル鉄道の個性的なデザインの
ほとんどを手掛けている工業デザイナー。
以前放映された、「情熱大陸」で次のように
紹介されていました。
”特急「ゆふいんの森」、特急「ソニック」、
観光列車「いさぶろう・ しんぺい」・・・
九州を走る鉄道は、他の地域のものと較べて
見た目も内装もかなり個性的で、
近年は、このような電車に乗ることが目標で
九州を訪れる観光客が増えている。
そのデザインを一手に手がけているのが
水戸岡。
制限の多い鉄道車両という分野において、
ひたすらそれを使う乗客の立場に立った
デザインを提示し続けてきた。
乗客にとって心地よいに違いないと信じる時
には、一歩も引かない議論をやり合う。
そんな姿勢を通す中から、他の地域ではまず
見られない個性的な鉄道が九州を走るように
なった。
職人気質の水戸岡は、現場の職人たちを叱り
飛ばすこともザラ。
それでも職人たちは、水戸岡のデザインを
現実化させていくことが楽しくてしかたがない。
職人のやりがいや才能を刺激するデザインを
提示する水戸岡は、一人一人のエネルギーを
圧倒的に高める中で生産性を上げてきた。”
水戸岡さんのこだわり、それは「いいデザイン」では
なく、「正しいデザイン」。
公共交通機関である列車には、安全性、予算、
日程など、さまざまな制約が課せられています。
その制約を乗り越えるために必要なのは、
センスでも才能でもなく、「手間を惜しまない
愚直な心」だといいます。
『僕なんか優秀じゃないから、
行ったり来たりしながら、何度も何度も検討
しながら、それでも、
「いつかはちゃんと」って、
「いつかはきちっと」って、
「いつかはすごいものを」っていうので
生きてきてるわけだから。
もしかしたら、人生そのものだって、
「いつかは、きっと」ってことで
やってきてるわけだから。
そう簡単に諦めるわけにはいかない』
困難な制約にぶつかっても、何度も何度もデザイン
を練り直し、試作をつくり、またデザインの修正を
行っていく。
膨大な作業を地道に積み重ねることで、新しい
デザインが生まれます。
”廃線寸前のローカル線を奇抜なデザインで復活
させたり、SLをガラス張りにして復活させる。
合理性、効率性でなく、デザインの力で。
製作段階でラッシュ時にどうするなど効率より
デザインを重視することに批判をうけつつも、
デザインの力を信じ、結局反対していた人も納得
の結果を出す。”
どんな仕事も完成ギリギリまであきらめずに
デザインの修正を重ねると、その先には、
必ず理想のデザインがあり、そしてさらに
その先には、人生の理想にも近づくことが出来る
と、水戸岡さんは信じています。
新しいデザインを考えることは、「思い出を探すこと」
だという水戸岡さん。
新たな発想は、ひらめきではなく、その人がこれまで
に体験した「楽しかった思い出」から生まれると
考えているそうです。
だからこそ、公共空間を豊かにすることで、多くの人
に「楽しい思い出」を提供することを目指している。
そうすることで、また新たなデザインの公共空間が
生まれ、人が豊かになっていくと信じています。
『デザインとは総合的で創造的な計画である。
デザインは公共のためにあるべきで、デザイナーは
公僕であると考えている。
世の中で最も素晴らしいデザイナーは「お母さん」
ですね。これはもっとも総合的で創造的なデザイン
なんです。
それがひいては国になって、教育そのものがデザイン
なんです。』
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