オリジナルインテリア製品や空間プロデュースを手がける
(株)ワイス・ワイスの代表佐藤岳利さんにご招待をいただき、
「WISE FORUM 2013」に参加しました。
10月23・24・25日の3日間、"幸福な価値の創造~社会・場所・
暮らしのいい関係をつくる~"の題で、各界の第一線で活躍
されている方々が登壇して講演、ディスカッションを行うという
もの。
会場では久しぶりにお会いする方たちと懇親を深めることが
でき、とても有意義な場でした。
(株)ワイス・ワイスの代表佐藤岳利さんにご招待をいただき、
「WISE FORUM 2013」に参加しました。
10月23・24・25日の3日間、"幸福な価値の創造~社会・場所・
暮らしのいい関係をつくる~"の題で、各界の第一線で活躍
されている方々が登壇して講演、ディスカッションを行うという
もの。
会場では久しぶりにお会いする方たちと懇親を深めることが
でき、とても有意義な場でした。
昨晩のテーマは「幸福な社会と経済」。
7月に発売された「里山資本主義 —日本経済は安心の
原理で動く」が発売3ヶ月で16万部を突破し反響を呼び、
ベストセラー「デフレの正体」の著者で、地域エコノミスト
の藻谷浩介さん。
藻谷さんは、「お金の循環がすべてを決する前提で
構築された「マネー資本主義」だけの1本足打法は危険。
サブシステムとしての「里山資本主義」とのブレンドが
これからは大事」と話されました。
※「里山資本主義」は藻谷氏とNHK取材班の造語。
里山のような身近なところから、水や食料、燃料を
手に入れ続けられるネットワークを用意しておこうと
いう考え方。
食料の地産地消や木材の燃料利用、特産品販売など
地元資源の活用によって、あまり金をかけずとも
豊かに暮らせ、過疎地には大きな可能性があると
同書の中で論じています。
藻谷さんは、「マネー資本主義の下では条件不利と
みなされてきた過疎地域、つまり人口辺りの自然
エネルギー量が大きく、前近代からの資産が不稼働
のままに残されてる地域にこそ、より大きな可能性
がある」 と分析しています。
地域振興、社会保障、少子化といった日本が抱える
課題は、今までジャンル別に考えられていましたが、
日本の社会・経済という大きな視点による解決は
やはり大事であると思いました。
主催者のワイス・ワイスは2006年以来、違法伐採
された木材ではなく、合法的な木材のみを使用した
製品づくりに取り組んでいます。
2009年には「グリーン宣言」を出し、国産材、フェア
ウッドなど環境配慮型の木材調達を中心にした
「グリーンプロジェクト」を展開。
「スペンドシフトという言葉がありますが、一人一人
の消費が世の中を作っているわけです。
購買行動はファン投票のようなもの。
無自覚に”もどき”を使い続けるうちに、もどきを
作っている人たちに一票が投じられます。
すると投票されない人たち、例えば日本の伝統
工芸の作家さんたちは、飯を食えないわけです。
最悪、廃業に追い込まれる。
売れれば良いという風潮の中で、固有文化や
風土が無視されてしまいます。」 (佐藤岳利さん)
株式会社ワイス・ワイスHP http://www.wisewise.com/
同社は昨年、宮城県産のスギを使った椅子が
「グッドデザイン特別賞・ものづくりデザイン賞」を
受賞。
デザイン性だけでなく、東日本大震災の被害を受けた
東北で、現地の製材所「栗駒木材」と協業する
仕組みも高く評価されたものでした。
私は以前、佐藤さんとシンポジウムでご一緒した際
、この杉の椅子に座りましたが、やわらかさ・温かさ
が生かされ、身体をやさしく包みこむような、
何とも座り心地のいい家具でした。
「日本は世界最古の木造建造物である法隆寺をつくる
木組みの文化を持っています。
世界最高の技術が日本にあるんです。
地域の木材と組み合わせ、強度・安全性を確保した
上で、どういうものを作るのか?
複数の問題を解決するために、デザインが必要に
なります。
産地が明らかで技術を持った日本の職人に作って
もらうわけですから、決して安いものではありません。
しかし2代も3代も、100年使えることを目指して
技術を尽くしています。』
(佐藤さん)
東日本大震災が発生したあの日、お金があっても
システムやネットワークが破綻すれば、水や食料、
電気が手に入らないことに気づいた多くの方がいます。
金銭を払って何でも手に入れるという「マネー資本
主義」ではない「里山資本主義」というサブシステム
を持つことの大事さが、そうした方たちから認識され
始めています。
「「里山資本主義」は、「マネー資本主義」の評価
指標、GDPや経済成長率を必ずしも大きくする
ものではないが、金銭換算できない活動が、
見えないところで盛んになることで、お金に換算
できない幸せを増やしていく」 (藻谷氏)
”環境を損なわない、つくる側も使う側も幸せに
なる、他力本願でなく自分から、本気で、責任を
持つものづくり”
ワイス・ワイスやパタゴニア、寺田本家といった
企業からは、その本気さが伝わってきます。
自分のライフスタイルにおいて何に価値を置くのか、
その価値に基づいてどんな暮らしを実践するのか?
幸福の創造に向けて、私たち消費者の賢さが
問われる時代に入りました。
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