『我が運命を決めるのは我なり』 

”我が運命を決めるのは我なり 我が魂を制するのは我なり”
南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領が亡くなったとの報を聞きました。(享年95歳)
映画「インビクタス/負けざる者たち」は、1995年の第3回ラグビーワールドカップを舞台に、当時南アフリカ大統領のマンデラ氏とラグビー代表チーム「スプリングボクス」のキャプテンとの交流を軸としたクリント・イーストウッドの監督作品

人種隔離政策「アパルトヘイト」
により、ラグビーの国際試合から爪弾きにされていたスプリングボクスは、前2回のワールドカップにはいずれも出場できませんでした。マンデラ氏やスプリングボクスの選手達にとって、この大会で優勝することは単なる目標というレベルではなく、決して妥協することのできない政治的な使命であったということ。

黒人大統領が生まれたとはいえ、未だに黒人と白人の人種対立が根強い南アフリカにおいて、ラグビーを通して白人と黒人が共に自国に誇りと一体感を持ち、心を一つにすることがマンデラ氏にとっての最大の狙いでした。

そして、その意志を託されたのがスプリングボクスであるならば、彼らにとってはまさしく「絶対に負けられない戦い」だったのでしょう。表彰式にて、優勝チームのキャプテンがマンデラ大統領から手渡されたカップを高々と差し上げた時、マンデラ氏も拳を突き上げてガッツポーズをしました。
訃報を受け、映画『インビクタス/負けざる者たち』(2009)でマンデラ氏を演じた俳優モーガン・フリーマンは、追悼のコメントを発表。モーガン氏はマンデラ氏と1990年代より親交があり、そもそも二人の友情の始まりは、マンデラ氏が「もし自分の伝記映画が作られるならモーガンに演じてもらいたい」と会見で語ったことがきっかけでした。

『今日、世界は偉大な人物を失いました。ネルソン・マンデラ氏は比類ない道義心、何者にも征服できない強さ、不屈の精神を持った人物で、自由、人間の尊厳を尊ぶ全ての人にとっての聖人、そしてヒーローです。

彼の偉業を思い出すとき、わたしたちはどこまで達成できたのかだけでなく、どこまで達成しなくてはいけないのかを考えさせられます。

マディバ(マンデラ氏の愛称)はもうわたしたちと共にはいませんが、彼の旅はわたしたちと共に続くのです』

マンデラ氏が、大統領就任前、27年間の投獄中(国家反逆罪で終身刑)に心の支えとした
詩が、「インビクタス-負けざる者たち-」
作:ウィリアム・アーネスト・ヘンリー(英国の詩人)

「モチベーション・自己啓発のSMI私を覆う 

漆黒の夜鉄格子にひそむ奈落の闇 

私はあらゆる神に感謝する 我が魂が征服されぬことを 
無惨な状況においてさえ 私はひるみも叫びもしなかった 
運命に打ちのめされ 血を流しても決して屈服はしない 
激しい怒りと涙の彼方に 恐ろしい死が浮かび上がる 
だが、長きにわたる脅しを受けてなお私は何ひとつ恐れはしない
門がいかに狭かろうと いかなる罰に苦しめられようと 
私が我が運命の支配者 私が我が魂の指揮官なのだ」
 

「インビクタス/負けざる者たち」予告篇

”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”