『人は花と同じ「育てよ」』

人は花と同じ「育てよ」
先日、2013年を表す漢字として「輪」が選ばれたことをお伝えしました。その報を聞いて、思い出したのが福島県「三春町のダルマ市」のこと。
毎年この日に、公募した多くの文字の中から一字を選び、「今年の希望の一字」として、大きなダルマの腹に書いたものを除幕して発表しています。その文字を書いているのが玄侑宗久氏(作家・福聚寺住職)。玄侑さんは、次のように話されています。
「四年前から始まった各「希望の一字」は、最初から「發」「根」「興」と続いた。一応、文章として書き下してみると、「根を發し、○を興す(し)」と自然に続く。

今年の文字は○の位置に来るのである。多くの応募文字のなかから、私は「地」を選んだ。今年が巳年であることも関係しているが、今年こそ除染も含めて大地のことをきっちり考えなくてはなるまい。

福島の大地こそが希望を拓く。将来を大きく左右することは間違いない。年頭のご挨拶でも触れたように、旧習を廃し、しっかりした基準や方法で、地に足着けて進みたいものである」
果たして今年、地に足着けて進むことはできただろうか?自分自身のこと、除染を含む東北復興は少しでも進んだのだろうか?

社会に顕在化している諸々の問題が、あまりにも複雑すぎて解決に至らないことが多い中、
現場に身を置き、地に足着けて進めることの大事さをより感じられた一年。

玄侑さんの言葉に、”人は花と同じ「育てよ」”があります。「面接で「こいつはちょっと点数は低いんだけど、将来やると思うんですよ。俺の責任で採ってくれませんか」という人間が上にいれば、その人の責任で必死に育てますよ。

ところがそれがなくなってきた。成績順で上から切れば、誰の責任でもないわけだから目をかけて育てるなんていうことはしなくなります。」
 

昔から、人は財であり宝であるといわれてきました。人間はむろん生き物であり、機械やシステムの一部では決してありません。
玄侑さんのこの言葉は、現代の企業人にきっと沁みることでしょう。

”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”