2012年PISAの「問題解決能力」調査、その結果
平均得点のトップはシンガポール(562点)、
2位韓国(561点)、3位日本(552点)。
これは経済協力開発機構(OECD)が、
世界44カ国・地域の15歳男女を対象に実施して
いるもので、日本からは約6300人の高校1年生
らが参加。
平均得点のトップはシンガポール(562点)、
2位韓国(561点)、3位日本(552点)。
これは経済協力開発機構(OECD)が、
世界44カ国・地域の15歳男女を対象に実施して
いるもので、日本からは約6300人の高校1年生
らが参加。
OECDによる「問題解決能力」の定義とは、
”初めて経験することなど解決方法がすぐには
分からないような問題が起きたとき、これまでの
知識や技能を生かして状況を判断し、解決しよう
とする力”を指します。
OECDは、複雑な問題を解決する能力が、
将来の経済的成功の鍵になるとの見方を示して
います。
今回、出題と回答はコンピューターを使って行われ、
社会人が日常的に遭遇するような問題に
どう対処するかが問われました。
・説明書がないエアコンの温度と湿度を調節する
操作方法を考える
・初めて見る自動券売機で指定された乗車券を
購入する
・なじみのない携帯電話や自動券売機の使い方
を考える
・患者の症状に合わせて痛み止めの薬を選ぶ
・建築工事の日程や航空機の時刻表を組む
・誕生パーティーで招待客の希望に沿った席順
を決める
今回アジア勢の正答率は高く、得点553点以上の
上位層の割合が、各国・地域ともOECD平均を
大きく上回りました。
国立教育政策研究所によれば、トップのシンガポール
は国家予算の約2割を教育関連政策にあてており、
理数重視のカリキュラム開発に力を入れていると
いいます。
同国のMadam Low Khah Gek教育省大臣は、
「生徒は自分でアイディアを考え、プランを練り、
実際に行う。
教師は科目を教えるだけでなく、試験で計ること
のできないような技能も教えている。
試験に焦点を当てたプログラムから脱却し、
より応用のきく学習へと移行するよう努力している」
と、自国の教育が成功しているとの考えを示しました。
一方、3位になった日本の場合、得点が高い割には
自信がないという精神面での問題が明らかになりました。
同時に行われたアンケートで、「困難な問題に直面する
とすぐにあきらめる」「難しい問題は後回しにする」と
回答した割合が、44カ国・地域の中で最も高かったそうです。
その半面、「物事の理解は早いほう」「多くの情報を扱う
ことができる」と考えている割合は最も低く、自己肯定感
が欠如していることも浮き彫りになりました。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140405/edc14040522550012-n1.htm
かつて受験社会だった日本の子どもたちは、
「一生懸命勉強して良い学校に入れば、良い会社に
就職できて幸せな人生が待っている」という外発的な
動機づけによって、学習意欲を維持するように
求められてきました。
しかし、最近はさまざまな外部環境の変化によって、
受験を学習の動機づけとする手法が有効に
機能しなくなっています。
経済成長が弱まった成熟社会では、いわゆる
一流大学を卒業したからといって、自分にとって
満足のいく職業選択が保証されるわけではありません。
また、人々の生き方に対する価値観も多様化し、
「受験がすべて」ではなくなりました。
ただし正確にいえば、受験競争による動機づけが、
日本の子どもたちすべてに対して機能しなくなった
わけではありません。
日本でも受験競争へと向かう層は今でも確実に
存在しており、私立・国立の中学校入試が
過熱しているのは、その一つの例だといえます。
つまり、未だに高い受験圧力にさらされている
子ども及び家庭と、そうではない子ども及び家庭
との格差が、徐々に表れつつあるのが現在の
日本の状況。
ここ最近、「受験」に替わる新たな動機づけと
して登場したのが、「自ら学ぶ」という考え方。
外発的な動機づけではなく、内発的な動機づけ
によって、子どもの学習意欲を高めようというもの。
主体的に学ぶ力は、学びのエンジンのようなもので、
学習社会には欠かせません。
このエンジンをもとに、課題に主体的に関わって
解決しようとすることが活用力の向上にもつながります。
最近取り組みが活発になっている問題解決型の学習は、
子どもたちに自ら考え自ら学ぶ喜びを経験させることを
狙いとしています。
キャリア教育は、将来的な目的意識を持たせるものです。
私が参加しているネクスファ(柏市)の「サス学」では、
子どもたちの主体的な学びを引き出す授業を
進めています。
複雑な問題を解決する能力を養いつつ、自分のためにも、
社会のためにもなる新しい学び。
今後は、ICTの特性を生かした機能や教材を有効に
活用するプランを構想するなど、さらなる進化を
図っています。
0コメント