世界では今、22億人以上の人々が、国際連合開発
計画(UNDP) の定義する「多次元貧困」という
貧困の中で暮らしている現実。
これはすなわち、不十分な教育、劣悪な生活水準、
非常に低い収入、労働、暴力までさまざまな要素
を含んだ劣悪な状況。
さらに12億人が、平均して1日に1ユーロ以下で
暮らしている。
計画(UNDP) の定義する「多次元貧困」という
貧困の中で暮らしている現実。
これはすなわち、不十分な教育、劣悪な生活水準、
非常に低い収入、労働、暴力までさまざまな要素
を含んだ劣悪な状況。
さらに12億人が、平均して1日に1ユーロ以下で
暮らしている。
これは、毎年刊行される「人間開発報告書」で国連
が発表したばかりの数字の一部です。
1990年以降、地球全体の人間の発展の問題点
を指摘している文書。
そこからは、世界人口のほぼ80%が社会的保護を
欠いており、12%(8億4,200万人)が飢えに苦し
んでいることがわかります。
さらに、最も悲劇的なシナリオは別にしても、先進国
にも深く関わる要素が1つ浮かんできます。
世界の労働者のほぼ半分が就いている仕事は、
非正規もしくは一時的なもの。そして、教育レべル
が向上しているのに対して、経済にはもはや提供
すべき雇用がありません。
世界を見回したとき、いまがいい時代だとは
なかなか言えない状況。
生活の質や教育、経済の向上は停滞しており、
自然災害や政府の馬鹿げた政策、何百万人
もの人々を飢えさせている紛争など、
理由はさまざま。
この破滅的な状況を説明するのに、あるひとつの
要素を見るだけで十分かもしれません。
それは、世界で最も裕福な85人が、世界の半分
にあたる35億人の貧しい人々と同じだけの財産
を所有しているという事実。
サッカーW杯が行われたブラジルでは、熱狂の影
で開催に反対するデモやストライキが各地で
起きました。
その背景にあるのは、経済発展の影で拡大する
富裕層と貧困層との格差拡大。
米国では、リーマンショック後、金融エリートたち
が富を独占することへの批判が高まりました。
国民の1パーセントに当たる富裕層の所得は
ほぼ回復する一方で、中間層の多くが貧困に
転落している状況。
日本でも所得格差を示すジニ係数が過去最大に
なり、中国やインドなど新興国でも貧困層による
暴動や凶悪犯罪が多発しています。
フランスの経済学者、トマ・ピケティ氏が著した
「21世紀の資本論」 が、欧米で大きな話題を
呼んでいます。
現代のグローバル金融資本主義において、
持つ者と持たざる者の格差は、拡大し続けるのが
一般的傾向であることを、この本は、過去200年
にわたる数値データを用いて論証。
それによれば、トリクルダウン理論(富める者が
富めば、貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン)
するという考え方)による繁栄には欠陥があると
いいます。
国際非政府組織(NGO)オックスファムは今年1月、
世界で貧富の差が拡大し、最富裕層85人の資産
総額が下層の35億人分 (世界人口の半分)に
相当するほど悪化したとの報告書を発表。
世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)を前に、
累進課税などの対策に取り組むよう政財界の
指導者らに呼び掛けましたが、対策は
あまり進んでいないのが実情です。
2012年には「1%の人が40%の富を独占している」
動画が話題になりました。
https://www.youtube.com/watch?v=QPKKQnijnsM
フォーブス世界長者番付・億万長者ランキング
2014年(世界編)はこちらに情報が載っています。
http://memorva.jp/ranking/forbes/forbes_world_billionaires_2014_world.php
「21世紀の資本論」の内容をめぐって、米国では大議論
が巻き起こっています。
ひとつは、資本主義は格差を拡大し続けるのかという点。
ピケティ氏は、今後、中間層の所得が伸び悩む一方で、
富裕層は資産を投資することでさらに富を蓄えていくと
分析。
この分析に賛同し一刻も早い格差是正を主張する声と、
市場への政府の介入を嫌いピケティの分析に反発する
声で、真二つに分かれています。
もうひとつは、格差是正の「処方せん」として、富裕層に
対して国際協調で累進課税すべきだと主張している点。
実際に、フランスでは富裕層への課税を強化しています。
しかし、投資を呼び込むために逆に減税を進めている
国もあり、効果を疑問視する声も強くあります。
米国では、税の使い道が低所得者へのサービスに
偏っているとして、自治体から独立する富裕層まで出現
するなど社会の分断が加速しています。
勤勉に働き、ルールを守っていれば、ささやかな
豊かさと安定を手に入れられる。
かつて米国人はそんなアメリカ的な考え方に浸りきって
いました。
しかし、その一方でウォール街は、中流層の持つ富
が超富裕層のもとへ流れ込むよう手はずを整えて
いました。
その結果、中流層は消滅に向かい、経済的・社会的
な流動性は大きく減りました。
こうして米国の民主主義の根幹が揺らぎはじめたのです。
同様のことが日本でも、他の国々でも起きています。
世界には、1日1.25米ドル未満※で生活する貧しい人々
が、12億人以上います。
(※世界銀行では2005年の購買力平価に基づき、国際
貧困ラインを1日1.25ドルと設定しています)
「成長は、それ自体が目的ではないし、GDPは豊かさの
尺度として欠陥が多い。
重要なのは環境保全も含めて、すべての市民の生活の
質や福祉水準を高めることです。
だからこそ所得の分配と、誰が政策の恩恵を受けるかと
いうことに、私たちは敏感でなければいけません。」
ノーベル賞経済学者、ジョセフ・スティグリッツ教授の言葉を
思い出します。
http://cchkk.blog.fc2.com/blog-entry-164.html#end
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