宇宙は、ビックバンという巨大な爆発から全てが始まり、
現在も膨張し続けている。
ビックバン以前は「無」の状態で、そこには何も無いと
考えるのが、今までの宇宙論の定説でしたが、それに
反する説が登場しているようです。
現在も膨張し続けている。
ビックバン以前は「無」の状態で、そこには何も無いと
考えるのが、今までの宇宙論の定説でしたが、それに
反する説が登場しているようです。
先日、カリフォルニア工科大やハーバード・スミソニアン
天体物理学センターの研究チームが、「重力波」の痕跡
を発見したことを発表。
この「痕跡」が本当に重力波のものであれば、
「宇宙が膨張している」説の裏付けとなります。
現在の宇宙が生まれる前に別の宇宙が存在していた。
そして過去の宇宙と現在の宇宙が重なり合うようにして、
今の宇宙の形を形成しているというのが、その考え方。
これによって通常のビックバン論に必要とされた
「インフレーション論」は不要となります。
しかし一部の批評家からは、重力波の観測と
いう成果自体には疑いの余地は無いが、
現在の宇宙全体の大きさと膨張速度を考えると、
この重力波が宇宙のインフレーション後に
発生したのかどうかの確証は持てない。
宇宙誕生前に発生した重力波である可能性
も捨てきれず、インフレーション理論の証明と
しては弱いのではないかといわれています。
アインシュタインの一般相対性理論によると、
ブラックホールどうしの衝突といった大変動が
宇宙で起きると、空間そのものの振動を
引き起こします。
これが「重力波」と呼ばれるもの。
宇宙が生まれて40万年間は、宇宙が熱すぎて
光が直進できないので、光でその時代は見れません。
「重力波」は、その特徴である透過性の良さにより、
(全てを貫通する能力があり、一度発生すると減衰
することはないと予測されています。
光や電波では良く見えないブラックホールや
宇宙誕生の瞬間に近い時までさかのぼって、
宇宙を観測することが出来る可能性があるそうです。
私たちの住むこの宇宙では、「光を放つ」という事と、
「質量を持つ」という事は、その天体の「姿」を遠方まで
伝える最も根本的な方法。
今まで、「光(電磁波)」を利用し、宇宙の「姿」を見て
きたのが、もう一つの「質量」に起因する重力波という
「時空の音」で宇宙を「聞く」ことができれば、
宇宙の「より完全な姿」を知ることができるように
なるそうです。
http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/gr/GWPOHP/index.html
唯一の神(ビックバン)が宇宙を全て形成したのでは
なく、様々な宇宙が重なり合って現在の形になると
いうのは、非常に東洋的 (やおよろずの神)な発想で
面白い、とある人が言っていましたが同感です。
このことを考えていたら、諸星大二郎氏の「孔子暗黒伝」
が頭に浮かんできました。
「暗黒神話」と循環を成す、諸星氏独特の歴史観・
世界観に彩られた、現実にはあり得ない壮大な
物語世界。
(「孔子暗黒伝」、「暗黒神話」のあらすじはこちら)
http://77422158.at.webry.info/201002/article_9.html
諸星氏は手塚賞をとったことで有名になり、本格的な
作家活動に入りました。
当時、選考員をしていた筒井康隆氏はあまりの完成度
から、類似作品があるはずと思いながらも、
何も思い当たらず、手塚治虫氏は負けず嫌いで、
滅多に人を誉めたりしなかったのが、
「諸星さんの絵だけは描けない」と賞賛したほど
でした。
手塚治虫氏に認められながらも、手塚治虫の
影響下にいない、諸星大二郎という不思議な作家。
宮崎駿氏は諸星氏のファンとして有名で、
”『風の谷のナウシカ』はほんとうは諸星さんに
描いてもらいたかった”という発言までしているほど。
たしかに『風の谷のナウシカ』の原作版の絵を
見返すと、タッチが諸星氏の影響を受けている
ことがよくわかります。
日本人なら誰でも知っていて国民的な人気を誇る
宮崎作品に、実力派や天才と評されながらも、
まんが好きにしか読まれないカルト作家の諸星氏
が影響を与えているというのは奇妙な話。
その辺りの解説は、こちらのブログで詳しく書かれています。
http://p.booklog.jp/book/62517/page/1461839
さて、昔読んだ「インド宇宙誌」という本に、「無量説」
が書かれていました。
それによると 宇宙は、成劫、住劫、壊劫、空劫の
四段階を永遠に繰り返しているといいます。
成劫はビッグバン、住劫は赤方偏移で、
象徴されるの現在の膨張宇宙。
それが青方偏移となると、壊劫の収縮宇宙となり、
最後は空劫。宇宙の終焉のブラックホールの
特異点。
そう、物理学の宇宙論とそっくりですね。
「孔子暗黒伝」の中では、こう書かれています。
”「 きみは疲れてる。後ろのシートで少し、休め」
「おれが宇宙病だと思ってるんだろ?まあきけよ!
現代の科学は宇宙の本質について、実は、
まだほとんど何もわかっちゃいない。
それでもどこかに真実はあるはずだ。
そしてその”真実”を、各時代の最高の知識人
たちが色いろな言葉で表現しようとする。
古代中国人は「易」や「老子」で・・・、
インドのバラモンは「ヴェーダ」や「ウパニシャッド」
で・・・、
そして現代の科学者たちは、数学や物理学の
言葉で・・・」
「群盲、象をなでる、というやつさ。
どれも真実の一部を不完全にしかいえないんだ」
「おれには科学の言葉が、一番不完全に思える
がね・・・」”
0コメント