世界的な大数学者、岡潔先生を知ったのは
20年ほど前のこと。
書店に入り、いつものように、こちらを引き寄せて
くる本を探していました。
すると、私の気持ちを妙にくすぐる題名が目に
飛び込み、 中を開いてみたところ・・・
20年ほど前のこと。
書店に入り、いつものように、こちらを引き寄せて
くる本を探していました。
すると、私の気持ちを妙にくすぐる題名が目に
飛び込み、 中を開いてみたところ・・・
『理屈だけではなく、感情が承服せぬものは、
心の底から納得は出来ぬ』
日本人の気質をずばり見事に言い表している
爽快な活字。
どんな方が書いたのだろうと見たところ・・・
世界中の数学者が挫折してきた「三つの
大難問題」を一人ですべて解決したという、
とんでもない大数学者。
数学には美的感覚が求められる。
そして、そのためには「情緒」が必要であるという。
だが、創造性の源である、この「情緒」が近年は
失われている。
『きれいな日本語で書かれた歴史や文学を
子供に読ませたりして、物事を受け取るための
基盤となる、
人間の情緒というものを、子供たちにしっかり
と植えつければ、あとは子供たちは、
様々な知識を、自分の力で吸収できるように
なっていく。
それがなく、ただ知識ばかりを与えるように
なっているから、いびつな人間ばかりが育つ
ということになっている。』
細やかな自然の中で移り変わる四季に応じて
日々の営みを送り過ごした、祖先の方々が
古来から大切にしてきた「情緒」。
そして、その基というべき「もののあはれ」。
『世界の知力はどんどん低下している。
低下すると、「暗黒時代」になる。
それは、物の本当のよさがわからなくなる
ということ。
「真善美」を問題にしようとしてもできない
から、すぐ実社会と結び付けて考える。
そうして「功利主義」になる。』
岡さんがおっしゃるように、自己中心に物事を
考えがちな個人、物事を始める前から利益・
成果をやたらと言う企業人、公平性の言葉に
逃げる役所、などが幅を利かせてきた現代日本。
かつて父祖たちが持ち、現在の日本人が
失いつつある「情緒」の大切さをあらためて
考えさせられます。
それでは「情緒」を育み、耕し、抱くことを、
現代社会の中でいかに行えばよいのでしょうか?
2012年から開始した「神渡良平人間学」は、
尊敬すべき先哲たちが、心に灯した一燈
一燈を学びつつ、小さいながらも和らぎの場
となり、同じ志を持つ方たちと「こころの生態系
づくり」を行うものです。
安岡正篤先生の言われた「一燈照隅、万燈遍照」
の精神のもと、神渡良平先生と素晴しいゲストの方
に人間学を学べる場です。
よろしければ、ぜひ一度お越しください。
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