「海を本当にわかっている人はいるのだろうか・・・
海の生物の棲む水の世界の感覚をつかむため
には、我々は長さや広さ、時間や空間に対する
人間的な感覚を捨て去り、水ばかりが満ちている
世界へと入り込んでゆかなければならない」
(レイチェル・カーソン著 「海の中」)
海の生物の棲む水の世界の感覚をつかむため
には、我々は長さや広さ、時間や空間に対する
人間的な感覚を捨て去り、水ばかりが満ちている
世界へと入り込んでゆかなければならない」
(レイチェル・カーソン著 「海の中」)
”炭酸水+石灰水 → 炭酸カルシウム+水”
息子の勉強「水溶液と中和」につきあっています。
実験から、地球温暖化防止に海が大きな役割
を担っていることを息子と「サス学」風に談義。
実験から、地球温暖化防止に海が大きな役割
を担っていることを息子と「サス学」風に談義。
・二酸化炭素は水温が低いほど水に溶けやすい
・多くの海洋生物は炭酸カルシウムでできた殻
を作り、死んだ後は殻を残す
・殻は堆積し、何億年の間に石灰岩として膨大
な量の二酸化炭素プールを作り、大気中の
二酸化炭素濃度を減少させてきた
・海水は膨大な量の二酸化炭素を含み、海水温
が高いと溶けにくく、水温が上がると海水中の
二酸化炭素が大気中に出てしまう
地球上の全海洋の主要成分はほぼ同じで、38億年
前から変わっていないそうです。
海水には、水素、酸素、塩素、ナトリウム、マグネシ
ウム、硫黄、窒素、カルシウム、カリウムなど
80種類以上の元素が溶け込んでいます。
ちなみに人間の体液の主要元素は海水の成分と
良く似ていることが知られており、生物は海から
生まれたと考えられる元。
海に入り込む河川からは、炭酸水素イオンと
カルシウムイオンが大量に含まれていますが、
海水の成分では二つの量は少なくなっています。
表層水にいるプランクトンや珊瑚、貝類が、
炭酸カルシウムの殻を作る際に、この二つを
成分として使用しているからです。
「海は大気中のCO2を吸収することで、毎年最大
約23兆円の気候変動による被害を防いでいる。
われわれは毎年15億トン以上のCO2が、
国際水域の生態系に吸収・貯蔵されていると
推計している」
世界環境デー(6月5日)、NGOの世界海洋委員
会が発表したもの。
地球の表面積のほぼ4分の3を占める海は、
人間活動によって大気中に放出された二酸化
炭素の約30%を吸収していると推定されています。
この吸収の仕組みには、海水の物理化学的性質
と海洋生物の活動、海の地球規模での循環が
関係。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、海
のCO2吸収量は温暖化とともに低下すると予想
しています。
「温暖化により表層域と深層域との水温差が
広がり、海水が混ざりにくくなり、深層域からの
栄養分の供給が減ると、光合成のためにCO2
を取り込む表層域の植物プランクトンが減少する」
地球環境の中で、海がはたしている役割は非常
に大きく、その中でも大きな役割のひとつが
CO2を吸収すること。
そして、このCO2の吸収に大きな役割をはたして
いるのが「サンゴ礁」。
海水には38兆tのCO2が溶け込んでおり、これは
大気中に含まれるCO2の約52倍の量に値する
もの。
年間およそ60億tのCO2が放出され、このうち
約半分の30億tが海水中に吸収されています。
サンゴの体内には、褐虫藻と呼ばれる単細胞
の藻類が共生していて、サンゴが排出したCO2
を吸収し光合成を行っています。
サンゴは、その褐虫藻が作り出した有機物の
一部を栄養分として取り込み、石灰質の骨格
を形成するのに利用。
つまり、サンゴと褐虫藻が一体となりCO2を吸収
していると言うわけです。
世界でサンゴ礁が最も多い海は、太平洋。
特にインドネシア、フィリピン、ニューギニアに
囲まれた海域は、サンゴの種類が最も多く、
サンゴのほかにも多様な生物が生息しています。
サンゴ礁の海は、面積では世界中の海の0.2%
しかありませんが、海に生息する生物の4分の1
が、サンゴ礁の自然に関わって生きていると
いわれています。
ところが、最近全世界の海でサンゴ礁の生態系
がくずれはじめています。
大気中の二酸化炭素が増えると、それが海水
に溶けこんで酸性度が高くなります(アルカリ度
が下がる)。
酸性化は、まず水深100メートルくらいまでの
浅い海に広がりますが、貝の多くはこの浅い
海に住んでいます。
貝は、水中のカルシウムや炭酸イオンを取り
こんで貝殻を作ります。
しかし酸性化が進むと、水中の炭酸イオンが減り
、貝殻の成長がおそくなり、貝殻そのものも弱く
なってしまいます。
これは、エビやカニの殻、サンゴの固い体も同じで
、酸性化がさらに進むと、これらの生物は減って
しまい、貝やエビを食べて生きている生物や
サンゴ礁の環境で暮らしている生物も生きて
いけなくなります。
近年は「白化現象」に伴う大量死が目立ちます。
主な造礁サンゴのうち3分の1の種が絶滅の危機
にあるという報告が近年、米科学誌サイエンスに
発表されました。
2009年7月、世界の海水の平均水温が17度となり
、これまでの観測史上最も高い水温を記録。
地球温暖化の影響とともに、海水温が高くなる
「エルニーニョ現象」が発生したためと考えられて
います。
海水温が高くなると、サンゴが死んだり、巨大
な台風や集中豪雨が発生する原因になります。
夏場の海面温度がおよそ30℃を超えると、
サンゴのポリプは組織内に共生する藻類を
追い出します。
結果、サンゴが白く透けてしまう現象「白化現象」
が起こりはじめています。
サンゴが死滅したらCO2が吸収されなくなり、
地球温暖化はますます進むと考えられます。
サンゴ礁をつくる造礁サンゴは、沿岸開発や海洋
汚染などで、世界の3分の1がこの半世紀に
消滅したと試算されています。
「すべての海岸で、過去と未来がくり返されて
いる。
時の流れの中で、あるものは消え失せ、過ぎ
去ったものが姿を変えて現れてくる。
海の永遠のリズム-それは潮の干満であり、
打ち寄せる波であり、潮の流れである-
その中で、生命は形づくられ、変えられ、
支配されつつ、過去から未来へと無情に
流れていく・・・」
(レイチェル・カーソン著「海辺」)
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