『知行合一を体現させるもの』

「知は行の始めなり。行は知の成るなり」
(王陽明)

東洋学の大家である安岡正篤師

この言葉について、「知」というものは
行いの始めであり、
「行」というものは
知ることの完成である
と言われました。

知から始まるとすれば、行は知の完成
そしてこれは行の始めが知だから、
一つの大きな循環関係をなすもの。























明治維新に活躍した多くの人物たちに大きな
影響を与え、「陽朱陰王」と呼ばれた佐藤一斎
はいいました。

「舜何人ぞや、予何人ぞや。只本心の好む所に
従はんのみ」


(問題が複雑になればなるほど、困難になれば
なるほど、精神的なものを除いては解決が
つかない。

政治的な問題も、社会的な問題も、つきつめれば
心の問題に帰する。

雑然たる知識や、ただの物識り・博識というもの
では本当の生命に一致しないのである)

激動の明代において病躯を引っ提げ、艱難辛苦
を極めたその経歴は、単なる机上の学問では
決してなく、
その身を以てまさしく「知行合一」を
体現
させました。


「遥か五百年も前の人間がその時間を越えて
人を動かす。

なんとも不思議な人間を貫く生命の躍動であり
、双方が互いにその全生命を込めることに
よって初めて起こる魂の共鳴である。

これこそが、真の人と人との出会いなので
あろう」

自分というものをいかに把握するか
自分という人間をいかに正しくするかということ
に、つまり本当の自己をつくるということに徹底
した陽明の生き方。

人間というものの本質はどこにあるか人間
の人間たる意義・価値・権威というものは
どこにあるか
を深く学ばされます。














”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”