『大量絶滅の時代と人類の選択』



















米スタンフォード大学、プリンストン大学、カリフォ
ルニア大学バークレー校の専門家らによる研究で、
地球は現在、6600万年前に恐竜が絶滅して以降、
最も速いペースで生物種が失われている
ことが
発表されました。

「100年間で1万種の生物種のうち2種類の哺乳
動物が絶滅するとすれば、前世紀の脊椎動物の
平均消滅速度は、生物種の消滅に関する最も
控えめな見積もりに依拠したとしても、人類の
活動がなかった頃の最大114倍にあたる」


そして現在の地球は、生態系同士の連結性が
増している
ことや、飽くことを知らない資源利用
かつてない温暖化ガスの急増などにより、急速
に変化しやすい状態。 

「サイエンス・アドバンシズ」誌で発表された今回の
研究を率いる、スタンフォード大学ウッズ環境研究所
ポール・エーリック教授によれば、「生物多様性喪失
の世界的発作」
の状態です。
 
こうした変化を引き起こす要素には、今世紀半ばまで
に93億人前後に達すると見込まれる人口増加
や、
気温上昇を2度未満に抑えるという国連目標を上回る
地球温暖化
などが挙げられます。
















母なる地球が誕生して6億年後、今から約40億年
海で最初の生命体が誕生したといわれています。

32億年前には、光を使用することによりエネルギー
となる有機物を作り出す光合成細菌(シアノバクテリア)

が出現。

27億年前には地球を磁気のバリアが覆い、大気中に
酸素が増えて、20億年前に真核生物が誕生


その後多細胞生物が誕生し、カンブリア爆発を経て、
約4億1千万年前に生物の大繁栄

しかし生命が誕生してから現在まで、地球上では5度に
渡り種の大量絶滅
がありました。
現在から4億4300年前、3億5900万年前、2億5100万
年前、2億年前、6500万年前


そして現在、歴史を通して、人口や1人当たりの消費
が増加
し、経済的格差も広まり、それに伴う森林の
伐採、侵入種の導入
二酸化炭素排出による気候
変動
海洋の酸性化有害な化学物質による生態系
の破壊・汚染
、など人類は自然の生息域を壊し続け
ています。

エーリック教授は、現在のまま絶滅が続けば、人類
は3世代で生物多様性からの恩恵を失う
ことになる
といいます。

例えば、1500年以来、320種以上の脊椎動物が
姿を消して
います。

現存している種の数も25パーセント減少し、脊椎
動物の16~33パーセントは絶滅の危機
にあると
推定。無脊椎動物についても似たような状況

象、サイ、ホッキョクグマといった無数の大型動物
が急激な減少
に直面しており、地球の歴史上で
過去大量絶滅が起きたものと同じ傾向
に。





















豪マッコーリー大学のジョン・アロイ博士は、
世界各地から集められた10万にも上る化石の
DBを利用し、2億5千万年前に起きた生物の
大量絶滅時期の主な海洋生物群を徹底調査


アロイ博士によると、地球に迫り来る大量絶滅
の原因
は、様々な人類の活動と気象変化に
よるもの
で、その規模は、6500万年前に起きた
恐竜大絶滅の時以上に大規模なもの
になると
警告しています。

「過去5億年で3回、同規模の大量絶滅があり、
過去の絶滅を生き抜いた生物が、今回の絶滅
後の新たな環境に適応できるという保証はない」


エーリック教授によれば、絶滅危惧種を保存する
窓は急速に閉じられつつ
あります。

そして、その回復には数百年が必要であり、
私たち人類自体が早期に消えてしまう可能性
高いといいます。

生物多様性の喪失を止めるために、気候変動を
これ以上悪化させない
こと、化石燃料の放出を
抑える
こと、動物たちが住処を追われないように
自然の領域を維持する
こと。

生物種にかかっているそうした圧力を緩和する
集中的な取り組み
と共に、私たち一人ひとりの
意思と行動が必要
です。

この状況に私たちには何ができるのか?

大事なのは、自分事として直視すること。
そして知恵を出し合って解決を探る、まさしく
集合知が
求められています。

”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”