『SDGs=誰も取り残さない』

「国連持続可能な開発サミット」において、
国際社会の2030年までのガイドライン
ある「SDGs」(持続可能な開発目標)が、
国連加盟193カ国の全会一致で採択され
ました。
  
「誰も取り残さない」というキャッチフレーズ
は、世界で貧困や人権侵害状態にある
人々すべてに尊厳のある生活を保障
する
ことをうたうもの。

発展途上国を対象にした目標で、2015年
までが期限となっています。この15年間で
一定の成果を上げたものの、目まぐるしく
変化する国際情勢に対応しきれない
という
新たな課題に直面しる状況にあります。

例えば、以下のような状況。

■全世界で極度の貧困の中で暮らす人々
の数は、1990年の19億人から半分以下
に減少


しかし、今でも8億3,600万人が極度の貧
に苦しんでいます。開発途上地域では
、およそ5人に1人が一日1ドル25セント未
満で生活


栄養不良が原因で死亡する5歳未満の
子どもは年間310万人
と、子どもの死者数
ほぼ半数(45%)を占めています。

世界の子どもの4人に1人は、発育不全
状態。開発途上国に限ると、この割合は
3人に1人に上昇。

全世界の失業者数は、2007年の1億7千
万人から2012年には2億2百万人近く
まで増大。そのうち約7,500万人は若い女
性と男性


22億人が1日2ドルという貧困ライン未満
で暮らしていますが、安定的で賃金の良い
仕事がない限り、貧困を根絶することは
不可能です。
(国連広報センターからの情報)

フランシスコ法王が演説を行い、世界が多く
の困難に直面している現状に懸念
を示し
ました。

”すべての人々が尊厳を保ち、家族との
暮らしを守れるよう、精神的にも物質的にも
保障を与えることが政治指導者の役割だ。”


またノーベル平和賞受賞者のマララ・ユス
フザイさん
もこう述べました。

”世界の指導者の皆さん、私たちに平和と
繁栄、教育の機会を与えてください。”


「SDGs」
では、格差の是正、強じんなイン
フラ整備、ジェンダーの平等など
、世界の
持続可能な発展を目指しています。

2030年までの世界の持続的な発展を目指す
今回の開発目標は、発展途上国だけでなく
先進国も対象


先進国は国民総所得の0.7%を政府開発
援助(ODA)にあてる
という財政目標が
含まれています。

貧困や格差の解消、環境に配慮した持続的
な経済成長、平和で公正な社会の実現など、
17の目標と169の具体策

ミレニアム開発目標では、「極度の貧困に
苦しむ人を半減する」などと数値目標

盛り込まれていたのに対し、
「SDGs」では、より広く「貧困を根絶する」
といった定性的表現に変わっているのが
特徴。
このため目標の範囲を広げながら具体的
な数値目標を掲げなかった
ことについて、
NGOなどから懸念の声も上がっています。
この目標に向けてどのような措置をとるの
か、達成状況をどのようにはかるのか、
具体性は今後各国にゆだねられます。



















採択の後に行われた首脳演説では、ドイツ
のメルケル首相が地球温暖化対策
について
言明。

また、イランのロウハニ大統領がイスラム
過激派対策
に触れるなど、それぞれの国で
最も切実に感じている課題に率先して取り
組む姿勢
を示していました。

経済成長の影で取り残された若者たちを
救済
することは、単に不平等を解消するだけ
ではなく、過激思想やテロを生み出すような
社会の危険要因を取り除く
ことにもつながる
もの。

今回の国連によるSDGsサステナビリティ
分野の調査
レポートをオランダの出版大手
エルゼビアと英国のNPOのSciDev.Net が
9月25日に公表しています。

サステナビリティ科学の研究における尊厳、
人間、繁栄、地球、正義、パートナーシップ
という6テーマに焦点
を当てたもの。

世界的な研究論文数や引用が与える影響、
国家間・セクター間の共同研究、2009年から
2013年までに行われた研究の学際的性質を
検証。

その結果から、サステナビリティ分野の科学
的調査における重要性の高さ
が示されました。

レポートによれば、4年間におけるサステナ
ビリティ研究の年間成長率は、全研究の
成長率(3.9%)と比較して7.6%
と、約2倍の
速さで成長。また、研究論文の被引用数は
他分野の研究論文よりも30%多かった

いいます。

「SDGs」の目標実現
に向って、各国の政府
や企業、研究者、市民が協力しあいながら、
どれだけ行動と成果を上げていくことが
できるか?
「サス学」を通じて、こうした問題の解決に
取り組める人材を育てていく
ことの重要性を
ますます感じます。
(「サス学」は三井物産㈱の登録商標



 

















 

”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”