『インダストリー4.0という進化』

「前夜、工業会社として眠りに就き、
翌朝起きると、ソフトウエア解析の会社
になっているかもしれない」


この言葉は、125年もの歴史を持つ巨大
企業、米国のGE(ゼネラル・エレクトリック
)のジェフリー・イメルトCEO
の言葉。
モノとモノ、工場と工場が全てインター
ネットでつながるIoT時代
を表していますね。

 「全ての工業会社は、ソフトウェア会社
への劇的な転身を図らないと生き残れない」
そのGEは先日、ソフトウエア事業の売上
高を2020年までに150億ドル(約1兆8千
億円)以上
に引き上げると発表。

ビッグデータ分析の活用が、競争力強化
のカギ
となるとみているGEは、ガスター
ビンや航空機エンジンなどにセンサーを
取り付け、膨大なデータを採集して効率
稼働や開発期間の短縮
につなげていま
す。

GEの戦略、それは本業である製造業の
強化で培ったソフト技術を、成長余地の
大きいモノのインターネット化(IoT)
ビジネスに本格展開


それにより収益性の高い金融事業から
実質的に撤退する利益面での影響も
補うというもの。

「5年前に始めた産業分野でのデジタル
化の取り組みが成果を上げ始めている」


イメルトCEOは、産業分野でのデジタル
技術活用のメリット
を強調しています。

シスコシステムズ、IBM、AT&Tなど米国
系大手企業が参画しました。

産業エネルギーの利用効率を1%改善
することを目的とした取り組みですが、
実はこの動きが米国版「インダストリー4.0」
に相当するといいます。

第4次産業革命とも言われる「インダストリー
4.0」


企業の枠を超えて生産革命が起こるとされて
おり、独で製造業の高度化を目指した官民
一体で推進
するこのプロジェクトは、いまや
欧州を皮切りに、米国やアジアにも拡がり
みせています。
”中心となったのがシーメンス、 ボッシュ、
SAPで、大きな目的として「新しいモノづくり
のスタイルを丸ごと世界に輸出する」という
考え方があった”

(眞木和俊・ジェネックスパートナーズ代表
取締役会長))。

世界のどこかの国に製造拠点を新たに作る
といった考え方ではなく、製造業としての
システムやノウハウもまとめて輸出する

ところがこれまでの考え方と大きく違います。

”これまでは人間の代わりに高性能な機械
でモノを作るという、人間の代替としての
機械化があった。

これからはそれが進化し、機械同士が連携
した「Cyber Phisical System」が構築され、
機械が自律的に判断をしてモノを作る時代
になる”

その進行を促進するのが「インダストリー4.0」
であり、重要キーワードとして「IoT」「AI」「イン
ダストリアル・インターネット」
があります。

GEは、2016年にボーイングや英国の石油大手
BPなど約2万もの企業と共同でIoT事業を展開

する計画。いずれもGEが製作したソフトウェアを
ベースにしてシステムを構築
するそう。

パソコン基本ソフト(OS)で業界標準を獲得した
米マイクロソフトに似たような強固な地位を
GEはIoT分野で狙っていることがわかります。

GEの他にも、IBMやSAP、シーメンス、
コマツやクボタなど
もこの分野の強化を狙って
おり、ますます進化していくであろう「インダス
トリー4.0」


産業や企業の競争条件が大きく変わる時代
を実感します。


 













”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”