『人間としての力』

「21世紀の奇跡」といわれる英国プレミアリーグでの
レスターの優勝


日本代表岡崎慎司選手は、ツイッターで「久しぶりに
我を失うくらい嬉しくて信じられない気持ちです」
と、
喜びのコメントを発表。

















写真元:サンケイスポーツ

クラブ史上初の優勝でハッピーエンドを迎えた今季
プレミアリーグ。

その背景を納得できる日経の記事
 
”レスターの優勝はチーム全員が同じ方向を向いて
サッカーに取り組み、地に足をつけて戦い抜いた
結果だった。

 
「金満クラブ」のサッカーが色あせたもののようにみえた
のは、選手たちの「市場価格」ではなく「人間としての
力」をサッカーの力に結びつけたラニエリ監督の存在
があってこそのものだった。
  
レスターはサッカーが「人間のゲーム」であることを
再認識させた。”

後藤健生氏によれば、ラニエリ監督は戦術的なマネ
ージメント、フィジカル的なマネージメント
、そのどちら
にも長けていたといいます。

”彼が、レスターでやっている最大の仕事は「チーム・
マネージメント」である。
優勝争いという、彼らにとって未知の領域に入って
もやることがブレないことこそが、まさにマネージメント
の成果である。

ラニエリ監督は、シーズン半ばまで、どんなに連勝を
積み重ねても「勝点40が目標」と言い続けた。終盤
に差し掛かって、勝点差が付いていても、未だに「優
勝」を口にしようとしない。
「われわれの目標は残留だったはず。われわれは『
優勝』が目標のクラブではないのだ」
ラニエリは、そんなことを選手たちに伝えたいのだろうか。
優勝を、あるいはチャンピオンズリーグ圏内を期待
されるビッグクラブだったら、優勝争いは痺れるような
展開と感じられるだろう。

だが、「残留」という目標を早々と達成してしまった
レスターにとっては、すべてはボーナスのようなもの。
「優勝争い」という、二度と体験できないような緊張
感を、さあ、みんなで楽しもうではないか。”
そして戦術的マネージメントについてラニエリ監督は、
難しいことではなく、選手たちに最も相応しい役割
を与えて、それを最後までやり抜くことを要求
したと
いいます。

”ワールドクラスの選手ならともかく、多くのことを要求
されたら、選手は混乱をきたしてしまう。

だが、それぞれの能力に応じた役割が与えられ、それ
を発揮することがチームのための最大の貢献となる。
そんな組織をラニエリ監督は作りだした。

世界のトップクラスの選手を買って来なくても、マネー
ジメント力によって選手たちの持てる力を十分に発揮
させてやれば、このクラスのチームでも優勝が可能なの
だ。

そのことを証明したレスター・シティーの活躍は今シー
ズン最大のニュースだった。”
21世紀に入って、世界中の多くの社会で「格差」の
問題
が取り上げられています。富める者はますます
富み、持たざる者はその閉塞状況から脱出
する
ことがままならない。

レスターの優勝は、そんな社会に大きな一石を投じ、
励ましの力を与えるものになることでしょう。 

 














 
(写真元:AP)

”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”