春爛漫の休日、桜の花見を楽しみに
家族でお気に入りの場所へ出かけた。
冬の寒さを超えて色とりどりの美しい花々を
咲かせる植物たちの様を観ることができた。
身近な中に生命の美を感じられた幸せな時間。
以前聞いた、志村ふくみさんの
花を愛する素敵な言の葉。
自然に寄り添い草や木の声に耳を傾けてきた
染織家。紬織りの人間国宝。
家族でお気に入りの場所へ出かけた。
冬の寒さを超えて色とりどりの美しい花々を
咲かせる植物たちの様を観ることができた。
身近な中に生命の美を感じられた幸せな時間。
以前聞いた、志村ふくみさんの
花を愛する素敵な言の葉。
自然に寄り添い草や木の声に耳を傾けてきた
染織家。紬織りの人間国宝。
『私は今まで、二十数年あまり、さまざまな植物の
花、実、幹、根を使って染めてきました。
ある時、私は、それらの植物から染まる色は、
単なる色ではなく、色の背後にある
植物の生命が色を通して映し出されている
のではないかと思うようになりました。
それは、植物自身が身を以て語っている
ものでした。
こちら側にそれを受けとめて生かす素地
がなければ、色は命を失うのです。
綺麗に咲いている花も、時期が来れば
いずれ散りゆく。
限られた時の中で美しく咲いた姿と
同じものは、二度と見ることができない。
それゆえに、その姿はひと際美しく
厳粛に感じられるのだろう。
冴え渡る青空の下、桜の花を眺めながら、
志村さんの言葉が諄々と心に沁み渡った。
『色はただの色ではなく、木の精なのです。
色の背後に、一筋の道が通っていて、
そこから何かが匂い立ってくるのです』
本当のものとは、みえるものの奥に
あって、物や形にとどめておくことの
出来ない領域のもの。
その領域にあるものに形をとらせ創り上げ、
幾百年、いや幾数千年もの命を
与えんとしてきた人々、志村ふくみさんや
西岡常一さんという先人たちへの畏敬の
念を強くし、その思いに少しでも
近づきたいと願う。
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