息子は毎週土曜日、合気道の練習に行くことを
大変楽しみにしています。
合気道(開祖:植芝盛平先生)は、単に身体を鍛える
ための運動ではなく、
ふだんから生活の中に能動の姿勢を取ることが
できるように身を通して心を磨くものではないかと
思います。
大変楽しみにしています。
合気道(開祖:植芝盛平先生)は、単に身体を鍛える
ための運動ではなく、
ふだんから生活の中に能動の姿勢を取ることが
できるように身を通して心を磨くものではないかと
思います。
武道の世界には「先の先」という言葉があります。
身に災いが降りかかる前に、変化を察知して身を処すること
です。
先日は、多くの企業が株主総会を開きました。
私は多年企業の中に身を置いていた中で、総会前に
株主からの想定問答集を作る作業を行ってきました。
しかし実は、この想定問答を作ること、つまり
「もしこういった質問が出たら、このように答えよう」と
考えること自体が、既に受け身の姿勢で後手に回っている
のです。
日露戦争の英雄・東郷平八郎元帥の
有名な逸話があります。
『ある時道を歩いているとき、荷馬がいるのを見て、
道の反対側にさっと回って馬を避けたそうです。
すると、側にいた人が、
「武人のくせに、荷馬ごときを恐れるとは」
と笑いました。
しかし、元帥は「どんなにおとなしい馬でも、
何かの拍子に暴れ出すかもしれない。
道を迂回すれば無事を保てる。
荷馬に蹴られて務めに支障が出ることこそ、
武人の恥ではないか」とすましていたといいます』
実は、元帥が歩いていたのはいつもの通り道で、
毎日その荷馬を見ていたのです。
そしてその時は、荷馬が異常に汗をかいていたり、
周りにアブが飛んで嫌がっていたとか、
いつもとは違う雰囲気であることを小さな変化から
察知して危険を回避したそうです。
一度も負け戦をしたことがなく、「運のいい男」と評された
東郷元帥ですが、そうした変化を察知する能力
が、きっと数々の戦に活かされていたのでしょう。
翻って現在の日本社会では、旧弊の制度や理解のない上司
などから自己を守るために、ついつい
身体が固くなりがち、また思考停止の状態になりやすい
という方も多くいるのではないでしょうか。
そうならないためには日頃から、全体を俯瞰しつつ
小さな変化にも気づける洞察力を持ち、その変化の後に
起こるかもしれない状況を想像し、いざという時の行動に
移せるように備える。
もし後手に回ったとしても、これを回復するための方法を
思案しておくようにすることが大切。
そうすることで「先の先」はもとより
「後の先」をとることができ、平時においても
有事においても泰然といられることでしょう。
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