『棋跡に美を遺す頭脳』

羽生善治二冠がチェス王者と、チェス&将棋
を同時対局
。

結果は引き分け(チェスは負け、将棋は勝ち)
羽生さんはチェスで日本人1位の腕前。

それにしても、ルールが異なる2つの盤上での
頭脳勝負を同時に行うとは、さすが羽生さん。

常人の及ばぬ領域に脳が動いています。



以前見たNHKの番組。
羽生さんの脳がどのように活性化されているか
を調べたもの。

詰め将棋の局面を1秒毎に見せて、手を考えてもらい、
脳機能のどこが活性化しているか
を調べていました。

前頭前野が活性化するのはアマチュアでも同じでしたが、
プロの場合は、脳の深い所にある「大脳基底核尾状核」
が活性化している
のです。

ここは、行動や思考の習慣化を司っている部位。

羽生さんがすごいのは、他のプロの平均正解率68%
に対して、82%という高い正解率。






















1秒で答を出す過酷なテストの最中に、羽生さんの
瞳孔は開き、瞬間時の集中力
がうかがえました。

そして他のプロとの違いは、脳にはっきり表れて
いました。

記憶を司る海馬の側にある「嗅周皮質」や、
さらに深くにある「網様体」が活性化して
いたのです。

どちらも、脳全体のネットワークを司る部分。




羽生名人の言葉に経験知を重ねる
ことの大事さがわかります。

「いろいろある選択肢の中から、何を捨てて
いくか。

取捨選択の捨てるほうを見極める目が、
経験知で磨かれるのだと思うのです。

たとえていえば、経験によって羅針盤の
精度がだんだん上がっていくイメージですね。

こっちへいくより、あっちのほうがより確実
ということが、経験知が上がるにつれて
比例して上がっていくのだと感じています」


経験知を伴った判断力の向上あるいは
直観力の練磨
によって、より良いパフォー
マンスが出せるようになる
のですね。

















定跡化、情報化、体系化が驚異的なスピード
で進む将棋の世界
。

その中で羽生さんはある種のバランス感覚
というものを大事にしています。

それは「美しさ」。

『美しさは時代背景によって異なる面も
ありますが、歴史に残る絵画、建築物は万人の心を
打つものがあります。

詳しいバックグラウンドを知らなくても共通の理解、
感動を与えてくれます。

10代の時、江戸時代の天才、伊藤看寿、伊藤宗看
の作った詰将棋には強烈なインパクトがありました。

科学の研究、進歩についても美しく、かつエレガント
であってほしいと願っています。

特に脳の研究に関して言えばそうならないと
自己否定につながってしまうので・・・。

将棋の世界ももちろん同様で、今後どのような
鉱脈を見つけて行くのかが大切だと思っています。』



”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”