”コミュニケーションの場をつくり上げるには、
まずは発信する力よりも、「受け止める力」
が必要です。”
「今、ここを真剣に生きていますか?」の
著者、長谷部葉子さんが言う「受け止める力」
、胸に強く響きます。
まずは発信する力よりも、「受け止める力」
が必要です。”
「今、ここを真剣に生きていますか?」の
著者、長谷部葉子さんが言う「受け止める力」
、胸に強く響きます。
慶応SFCで、教育とコミュニケーションを
研究し、学生たちのよい部分を引き出そう
とする独自の教育プログラムを行っている
長谷部さん。
”この研究室で、わたしが一番はじめに取り
組んだこと。
それは「共食」の習慣化、つまり、食事を
みんなでつくって、みんなで食べること
でした。
人が健全に生きるために一番大切な「食」
という作業を、人とともに真剣に取り組む
こと。」
教育とコミュニケーションの太さを感じられます。
不登校、いじめ、病気、高校・大学受験失敗
などの苦難を乗り越えてきた半生。
その経験によって問題意識を身につけたこと
から、20代半ばで寺子屋(私塾)を設立。
「子どもたちを死なせない、活き活きと活かす
教育」 に取り組み続けた長谷部さん。
35歳で大学に入学、40代で大学院を修了後、
現職に就いたという大変興味深い経歴。
実際の経験に基づく言葉は、説得力に満ちて
います。
社会に出て働く誰しもが、一度は悩む問題。
”「好きなもの」を仕事にするべきか?
それとも「仕事は仕事」と割り切り、
好きではなくても生活の安定を保証できる
仕事を選ぶべきか?”
長谷部さんはこの問いに対し、
”仕事を選ぶときは「好きなもの」の中から
「発想が枯れそうにないもの」を選ぶ
のがベスト”とアドバイスします。
仕事というものは「結果を出し続けること」
が前提。
だから、「発想が枯れないもの」でなければ
続けていくのが苦しくなってしまう。
いくつかの「好き」のなかから、続けるのが
楽なものを選ぶことが重要。
「楽」は、続ける喜びにつながる大切な要素
だといいます。
人生における仕事の選択をそのように行って
きた私には、大いに共感できる言葉です。
長谷部さんの印象的な文章。
「社会貢献という隠れ家」
”「こんなところまで来て、どうして水汲みなんか
しなくちゃいけないんですか!」
「ボランティアをやりに来ました!
何でもやりますから、やらせてください!」
「草取り、もう飽きましたから、別のことをしたい
んです」
「あの・・・・・高校で映像を見たんです。
バングラデシュの貧困問題について」”
「支援」や「社会貢献」という言葉を、完全無欠
の「善」と信じきってしまう傾向が見受けられる
若者たち。
それに対する長谷部さんの投げかけは、
大変興味深いもの。
”それって、あなたが問題意識を持ったっていう
よりも、誰かの問題意識を見せてもらっただけ
よね?
貧困に対する問題意識をもったのだとしたら、
日本のそういう地区でボランティアをしてみたり
もできるわけだけど。
身近な実感があって言っているのかしら?
「社会貢献」という言葉をファッションにしないで
ください。幻想を捨ててください。
目の前で困っている人を、自己成長の種だと
思わないことです。”
本質をずばり突いた鋭い問いかけは、若者たち
を成長させるもの。
「今、ここを真剣に生きていますか?」の
深みを感じます。
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