『黎明即起し、醒後、霑恋する勿れ』

「寝不足が1週間程度続くと、数百もの遺伝子の
働きに影響が出る可能性がある」


英サリー大による研究の結果。



















大学の研究施設で、十分な睡眠(平均8.5時間)
を取る生活を7日間続けた後に採血、遺伝子が
活動する際にできるRNAが血液中にどれだけ
あるかを分析し、遺伝子の働きぶりの目安と
しました。

その後同じ被験者で、睡眠6時間未満の生活を
1週間継続する実験を行い、RNAレベルを
比較したそうです。

その結果、睡眠を減らした生活の後では、
711種類の遺伝子の働きが変化
していました。

この数は人間の遺伝子全体の3%程度に
当たるそうです。

このうち444の遺伝子(62%)は働きが抑制
され、残り267遺伝子(38%)は働きが活発化。

影響を受けた遺伝子は、炎症や免疫応答、
ストレス対応などに関わるもの
だといいます。
 
良質な眠りを得るのは非常に大切ですが、現代
日本人の5人に1人は不眠や目覚めがすっきり
しないなど、眠りの問題を抱えているそう。



















しかし単に眠りの時間を長くとればいいという
ものでもありません。

睡眠について安岡正篤師は、「西洋でも東洋
でもそうだが、有為有能な人に共通しておる
ことは、「惰眠」をせぬことである」
と言われ
ました。

”眠るということがいかに人体に必要な問題
であるかはいうまでもないが、とにかく、
よく眠ることは非常に大事である。

眠りにもいろいろある。
まず、「安眠」と「熟睡」との両方を要する。

「熟睡」というのは深く眠ることで、これは、
つまり生理の問題である。
「安眠」というのは、より多く心理的問題で
ある。

精神状態が平和であると安眠ができる。
「安眠」と「熟睡」とは、そういう点で違う。

精神状態は平和であっても、どこか健康に
支障があれば「熟睡」はできない。

疲労すれば「熟睡」はできても、精神状態
が不安であると「安眠」にはならない。”

安岡師によれば、睡眠には三種あります。

”一つは「安眠」、一つは「熟睡」、一つは
「惰眠」。

それから、疲労の度によって「熟睡」、
あるいは「浅睡」になる。

常に「安眠」して「熟睡」することを考えねば
ならない。そして「熟睡」は案外短時間で
よい。

眠りは最初のうち、うつらうつらして本当に
寝入っておらない。

それからしばらく「熟睡」して、そうして、また
うとうとしてくる。これはたいへん気持ちの
よいもので、これを「惰眠」という。

西洋でも東洋でもそうだが、有為有能な人
に共通しておることは、「惰眠」せぬことで
ある。”

 惰眠を貪ることと、良質の睡眠をとることは
まるきり異なることがわかります。

安岡師は、「黎明即起し、醒後(せいご)、
霑恋(てんれん)する勿(なか)れ」
の古言を
紹介されました。

 


”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”