『経済成長を支える新しいパートナーシップ』


かつて2008年に、国際協力機構の月刊誌「monthly
Jica」
のインタビュー取材を受けました。

テーマは、”企業連携 経済成長を支える新しい
パートナーシップ”


ムタンゴ氏(タンザニア大使)、足達英一郎氏(日本総研)
、木山啓子氏(特定非営利活動法人ジェン)
という
各分野の識者と並んでの掲載。


当時所属していた企業(リコー)の生物多様性保全担当
の立場で、開発途上国での生態系保全活動(理念、内容)
・企業としての立場から考えるJICAとの連携の在り方

などの質問を受け、以下を答えたことを覚えています。

「企業は自然生態系から多くの恩恵を受けて、経済活動
を行っていますので、企業がこれからも存続していくには
地球環境が健全であることが欠かせません。

企業がビジネスで必要とする資源の大半は、途上国から
来ています。

資源を大量に収奪し、生態系を破壊する行為は、
一時的な発展にはつながるかもしれませんが、
決して持続的ではありません。

地球環境の回復力を支える生物多様性を保全していく
努力は、グローバルな社会的責任を果たすということで
あり、セクター間の壁を越えて取り組むべき、
人類共通の大きな課題だと思います。

最近、欧米ではODAを慈善的に活用するだけでなく、
国と企業とNGOが対等な関係で共通の目標に
向かって連携し、国の存続を根底に据えた戦略的な
使い方をしていると聞きます。

日本は、資源や食料のかなりの割合を輸入に頼って
おり、今後は他国と日本との相互発展と、持続可能な
社会の創造に寄与できる「win-win」型の戦略の下、
ODAを通して国と企業とNGOが連携していく必要が
あると思います。

3者連携による支援が相手国の持続可能な社会づくり
に役立てば、それが結局、日本の持続可能性にも
つながることでしょう。」
 

この取材から、その後数年の月日が経ちます。
しかし、人類共通の課題は解決されるに至っていません。

若者たちの間には、ソーシャルメディアを駆使しながら
他者と協働し、自分の力を社会問題の解決に充てて
いこうという頼もしい動きがみられます。

私は2012年から、フリーエージェントとなりました。
セクター間の壁を超えた志を同じくする人々や組織と
協働し、持続可能な社会の共創を進めていくつもりです。


参考:「monthly Jica 2008年8月号」
 

 

”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”