『小さな選択の積み重ねが幸せのもと』

『人生は、運命、偶然、選択という3つの観点
で語ることができる』


コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授
語る、「選択の科学」を再び読み返しています。

 


















人がそれぞれの人生を生きる時、その人生は
運命?それとも偶然?それとも選択の結果?

彼女の人生もまた、運命として、偶然として、また、
選択の結果として捉えることで、一人の人生を
50通りでも100通りでも全く違った物語
として
話すことが出来ます。

両親はインドからの移民でシーク教徒。
アメリカに移住した3才の時、眼の病気を患い、
高校のとき網膜の病気で視力を失い
ます。

シーク教の厳格な戒律を娘にも守らせた父親は
13歳の時に、心臓発作で突然死……

困難の多い、劇的な人生は「運命」か、「偶然」
の産物か


あるいは、困難を乗り越え、学業の道に進んで
現在の立場にたどり着いたことを「選択」の結果
とみるか。

自身への問いかけが、研究内容とそのまま
重なります。

どんな環境にあっても、自分の選択によって道は
切り開ける
と信じてきた彼女の人生の物語に
多くの人が勇気づけられています。


シーナ教授は本の中でこう語っています。

人生は、運命、偶然、選択という3つの観点
語ることができる。
選択という観念で語ることには意味がある。 
全ての言動に責任を持つようになるから。

選択は誰でもできる
人生を選択という観念から見ると、心の底から
力がわいてくる。

家庭、貧富の差は運命によって決まる
偶然は予測できない様々なことをもたらす。
しかし、あなたが何を選ぶかによって、人生が
変わる。
あなたの評価は、あなたの選択で決まる。

彼女の名前を広めたのは、主体的に選ぶことの
難しさを示した、大学院生の時の実験でした。

「試食用のジャムがスーパーの店頭に、24種類
並んでいた時と、6種類しかない時とで、
買い物客の反応はどう変わるのか?」


多くの種類が並んだ場合、試食をする人は確かに
増えたといいます。

しかし、展示品を絞った方が、ジャムの購入者が
圧倒的に多いという結果
がでます。

人間は、選択肢の数があまりにも多くなると、
選ぶこと自体をやめてしまう
傾向にあるそうです。

人間の情報処理能力には限界があるから。

「全く予想をしなかった」と本人が言う結果は、
小売業界の常識に反するものでしたが、その後も
実証されているそうです

(米国の有名シャンプーが商品ラインアップを
半減させたところ、売り上げは10%増

 

毎日、何百もの選択肢の中から選んで生きて
行かなくてはいけない現代社会


選択肢が多すぎると、それだけで圧倒されて、
時には押しつぶされてしまいます。

シーナ教授は、膨大な選択肢の海に溺れない
ために「選択の極意」をこう語ります。

”重要ではない選択、他人に任せられる選択は
除き、残った選択に取り組む。

自分の価値を高めてくれる選択に集中する。
3つくらいで最適、それより多いと疲れる。

自分の価値を高めてくれる選択に集中し、経験
を積めば、その分野の情報の単純化、分類づけ
、優先づけができるようになる。

その能力が高まれば、選択上手になる。
数ヵ月後、分野が変わっても構わない、上手に
選択する技術の訓練になるから”


シーナ教授の家族は、スタンフォード大で知り合い、
ともにコロンビア大で教える夫のガルードさんと、
7歳の息子。

ご主人とは信教が異なり、当初は互いの家族が
結婚に反対したそうですが、
「愛は選択ではなく、運命の問題」と信じたそうです。

”大きな選択のみが幸福にとって重要なわけではない。

日々積み重ねる小さな選択が、人を幸福に導く。

幸せになるには、自分の人生の核、インナーコアを
発見することです。”
(シーナ・アイエンガー)

















”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”